鬼封じの姫は、禁じられた恋に囚われる

胸を貫いたのは、誰よりも欲しかった言葉。

抗うはずの心が、ふっと緩んでしまう。

「あ……あぁ……」

声が漏れ、全身の力が抜けていった。

――これは、鬼の術だ。

そう分かっているのに、耳に残るのは愛しい人の声。

気づけば私は、その腕の中に身を委ねてしまっていた。

それは、あまりにも甘い夢だった。

『真白、かわいいよ……』

赤い目をした鬼だと分かっているのに、その声があまりに家継に似ていて、胸の奥が疼く。

――私、家継に抱かれたいんだ。

抗おうとする心よりも、渇いた欲望が勝っていく。

再び鬼が迫り、熱い吐息が首筋をなぞった。

『真白……』

「いやっ、やめてぇえええ!」

思わず叫んだ、その瞬間――。

「真白!」

はっと目を開けると、目の前には家継の姿があった。

肩で息をして、額には薄く汗を滲ませている。