鬼封じの姫は、禁じられた恋に囚われる

商店街の帰り、人目を忍んで交わした、あの初めての口づけ。

唇に触れた熱が、今も消えずに残っている気がする。

「家継……」

思わず名を呼ぶと、彼は迷いなく私を抱き寄せた。

「大丈夫だ。俺が真白を守るから。」

耳元に落ちる声は優しく、けれど揺るぎない強さを秘めている。

胸に頬を寄せると、力強い鼓動が真っ直ぐに響いてきた。

まるで「この胸の中にいろ」と言われているようで、息が苦しいほど愛しくなる。

――この胸の中に、私はいてもいいんだよね。

鼓動を数えるうちに、口が自然に動いてしまった。

「……私たち、付き合ってるんだよね。」

言ってから顔が熱くなる。けれど、家継は迷いなく頷いた。

「ああ。真白は――俺の恋人だ。」

その言葉が耳に届いた瞬間、胸の奥で花が咲いたように、世界が一気に明るくなる。

夢に出てきた女の影も、今は遠く霞んでいた。