鬼封じの姫は、禁じられた恋に囚われる

私は我慢できずに、家継にその夢のことを話した。

「女が、夢の中に出て来たの。」

家継は祈祷の最中だったが、その手を止めて私を見つめた。

「女?」

その眼差しは鋭く、けれど私を案じる温かさも含まれていた。胸の奥がじんとする。

「赤い目をしていて……あれは普通の人間じゃない。」

声に出した瞬間、夢の記憶が鮮明に蘇り、背筋がひやりと冷たくなった。

あれは、ただの夢ではない。鬼の影が、確かに私の心に触れてきた。

家継はためらわずに私を抱き寄せた。

「それで?」

彼の肩越しに感じる匂いと体温が、夢の恐怖を和らげていく。

心の奥に、守られている安堵と、抗えない恋しさが混じり合う。

「私の心を奪うって……」

言葉にすると、胸の奥がきゅうっと痛んだ。

まるで本当に心を握られてしまったかのように。