鬼封じの姫は、禁じられた恋に囚われる

「あなたに奪われるほど、私は弱くない!」

必死に言葉を絞り出す。けれど、首を締めつける冷たい手は一層強くなる。

「はははは!強がりを言うな。おまえはあの男が好きなのだろう?だが――あの男は私のものだ!」

突き刺さるその声に、心臓が跳ね上がった瞬間――私は飛び起きた。

「はっ……!」

息を荒くして周囲を見回す。

そこはいつもの自室。

けれど体はぐっしょりと濡れ、冷や汗が背を伝っていた。

夢にしては、あまりに生々しい。

「……何なの……今の夢は。」

震える指先を胸にあてると、まだ心臓が鬼の手に握られているかのように早鐘を打っていた。