鬼封じの姫は、禁じられた恋に囚われる

「あなたは……誰?」

問いかける声は、私自身でも頼りなかった。

こんなはずはない。夢の中に、外から侵入してくるような存在があるなんて。

女は静かに振り返る。

その瞬間、ぞっとした。闇の中、赤い双眸がぎらりと輝いていたのだ。

「おまえは孤独だろう」

耳を裂くような声が響く。

「えっ……」

言葉が喉に詰まった瞬間、女の手が伸び、私の首をつかんだ。

指先は氷のように冷たく、けれど異様な力で締め付けてくる。

息が詰まり、夢のはずなのに肺が軋む。

私は必死にあがきながら、これがただの夢ではないと悟った。鬼が、私を見ている――。

「おまえの心、私が奪ってやる。」

女の声は、夢の中にしてはあまりにも鮮明で、耳の奥に突き刺さるようだった。

「なに……?私の心……?」

思わず呟いた私に、女は赤い瞳を細めて嗤った。