鬼封じの姫は、禁じられた恋に囚われる

「俺がいないと……ダメなんだ。」

その言葉は、彼自身を追い詰める呪文のように響いた。

私の胸の中で、家頼は必死に呼吸を繰り返し、細い肩を震わせている。

私は抱きしめる腕に力を込めながら、どうすれば二人を守れるのか答えを見出せず、ただ切なく目を閉じた。

「家頼。」

背後から伸びた大きな腕が、ぐらつく家頼の体をしっかりと支えた。

家継だった。疲労で険しい顔をしていながらも、その瞳には確かな強さが宿っている。

「今は俺がおまえの分まで祈る。だから……おまえは養生しろ。」

落ち着いた声で諭すように告げられ、家頼は苦しげに息を吐く。

「兄貴……」

その声はかすれ、けれどどこか安堵に満ちていた。

抗うことなく、彼は私に肩を預ける。

私は家頼の体を抱えながら、そっと神殿を後にした。