「点滴をします。それで様子を見ましょう。」

抗生剤が注がれた点滴の袋が揺れ、細い管を通って家頼の腕へと滴っていく。

彼の顔は赤く火照り、苦しげな呼吸が途切れ途切れに漏れた。

「……俺たちが、もっと早く戻っていれば……!」

家継が低く呻き、拳で床を叩いた。

冷静沈着な彼が、今は自分を責めて感情を抑えきれていない。

「お前たちのせいじゃない。」

神主が厳しく言葉を投げるが、家継は首を振るばかりだった。

「けれどっ……!」

握り締めた拳が震えている。

見ていられなくて、私はそっと家継に寄り添い、両腕で抱きしめた。

「……大丈夫。家頼はきっと良くなる。」

そう囁く声が震えているのは、誰よりも私自身だった。

その時だった。布団の上で苦しげに息をしていた家頼が、かすかな声で呼んだ。

「……真白。」