山の入り口はひとつで、最初のうちは石畳になっている。太陽が出ていないせいか昼間なのに山は暗くて先の方があまりよく見えない。
それでも草が鬱蒼とする夏よりよほど歩きやすくて気が楽だ。
老婆がいる場所は時間にすると二十分ほど登り、銀狐が熊岩と呼んでいる大きな岩の窪みである。山の入り口から近いほうなのですぐに見つかる。
実際に熊岩のところで翠子は老婆に会っている。
だが助けたわけではなく偶然出会っただけで、夜更けになぜこんなところにとお互いに驚いたものだ。老婆が実はあやかしの山姥だと知ったのはその後だ。
山姥はリンの知り合いだと言っていたが、翠子を助けにくることと山姥を助けることがどう繋がるのだろう。
皆目見当もつかないが、今はただリンの言われた通りにするしかない。
(あと少しだわ)
よいしょと登っていく途中、オオカミやクマを見かけたが獣は翠子に無関心を装う。
「おや? 今日はどうしたんだい? こんなに早くから」
銀狐がひょっこりと顔を出した。
「この前のお婆さんを助けに来たの」
「助けに? あいつをかい?」
きゃははと狐は楽しそうに笑う。
それでも草が鬱蒼とする夏よりよほど歩きやすくて気が楽だ。
老婆がいる場所は時間にすると二十分ほど登り、銀狐が熊岩と呼んでいる大きな岩の窪みである。山の入り口から近いほうなのですぐに見つかる。
実際に熊岩のところで翠子は老婆に会っている。
だが助けたわけではなく偶然出会っただけで、夜更けになぜこんなところにとお互いに驚いたものだ。老婆が実はあやかしの山姥だと知ったのはその後だ。
山姥はリンの知り合いだと言っていたが、翠子を助けにくることと山姥を助けることがどう繋がるのだろう。
皆目見当もつかないが、今はただリンの言われた通りにするしかない。
(あと少しだわ)
よいしょと登っていく途中、オオカミやクマを見かけたが獣は翠子に無関心を装う。
「おや? 今日はどうしたんだい? こんなに早くから」
銀狐がひょっこりと顔を出した。
「この前のお婆さんを助けに来たの」
「助けに? あいつをかい?」
きゃははと狐は楽しそうに笑う。



