「その後、柊木伯爵に縁談を申し入れました」
続いてどうして急にそうなったのか経緯を説明する。
「柊木の娘が龍の眷属だとわかったのか?」
「状況から察するに間違いないかと」
この五年。山に棲むあやかしを捕まえては龍と娘の話を聞いて回った。確かに件の娘らしき者がいるとわかったが、その娘はそのとき一度山に来ただけで、その後見かけないという。
探し続けること五年近く、今から半年前に山の洞窟で翠子に会った。
人の成長期である五年は大きい。あやかしたちの話は感覚的でわかりにくく、龍の宝珠を授かった娘は翠子よりももっと小さい娘だと言いだしたり、翠子は我の眷属だと言い出したりして混乱させてくる。
竜胆は翠子本人にも聞いた。
『翠子、お前は龍に会ったことはあるか?』
龍を知らない翠子に龍の姿を教えた。
『龍……はて。そんなに大きなあやかしには会っていません』
実際の龍はとてつもなく大きいが、人の山にくれば龍の姿ではなく、なにかに化ける。それが龍かどうかは月夜野一族か一部の龍を知るあやかしだけで、翠子にはわからなくて当然だ。
それでも間違いない確認方法はある。



