二つの世界線 四の命


「私も一緒」

 何だか暗い顔をして本を読んでいたから声かけちゃった。
 
 それに、お揃いだったから。





 リスカ痕だって、すぐ気づいた。


 でも、この子は偉いな。

 きっと、隠して生きている。その三本の傷だけを。


 私はこれだけじゃない。
 この三本だけじゃない。

 もっとある。



 今も、付け続けている。







「見ちゃった、よね…………。誰にも、言わないで」

 うっすら涙を浮かべてそういう姿。

 か弱い女の子って感じ。


 そんな自信をなくした生き方、勿体ないの。


「言わないけど。私に利益無いし」


「よかった……。ありがとうございます」

 敬語、か。

 この子はどこまで自分を偽るんだろう。

 いつまでその仮面をかぶったままなんだろう。

 
 隠したって、なんの意味がないのに。


 さらけ出すぐらいでちょうどいいじゃん。


 あ、でも、私は隠さないけど、何にも言わない。



 だって、利益無いもん。

 







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