ポタ、ポタ。
体から少しずつ血が抜けていく感覚。
気持ちが良くなってしまい、ふらふらするのに、やめられない。
傷が残ってしまうから、やめたい。
そんなことを考えていた日もあった。
今ではもうそんなことはどうでもいいが。
とりあえず生きておくために痛み付けるだけ。
だって、どんな手段であっても命を絶てば人に迷惑をかける。
そのことに変わりはない。
ならば、自らの体を傷つけ、生きておく方がいい。
意味が無くても、――希望が無くても。
私の心が壊れる時、秋。
皆が紅葉や旬のものに関心を寄せている間、一人うずくまる。
秋ほど苦しくなる季節はない。
休みが終わり、新しい日々が始まる。
皆が動き出す。
学びに行ったり、働きに行ったり。
自分だけ動けないことに嫌気がさし、傷をつける。
唯一この気持ちを発散できる方法。
紅葉の赤色が血の色と重なる。
でも、あの赤色を見ても何にも感じない。
何故、皆、あの色に惹かれているのか。
人と同じような感性を持ちたかった。
私は、この赤色でしか心を満たすことが出来ない。
弱い。
このはを捨てたい。



