花びらが舞う世界で、君の涙が未来を照らす

    * * *

 そのとき、ハッとしてスマホの美羽からの連絡を映す。
 まだ既読を付けられていないそのメッセージを未読のまま見つめる。

 《優しいお兄ちゃんが、大好きだよ。言えなくてごめんね》

 「言えなくて……ごめんね……?」

 美羽は、ずっと言えなかったんだ。

 あの笑顔も、あの「大丈夫」も、ぜんぶ、本当は——嘘だった。

 俺は、何も見えてなかった。

 「……っ、美羽……、ああ、あああああぁぁぁ!」

 壊れるように泣き叫ぶ俺に、二人の先生は唇を噛んで寄り添おうとしてくれた。

 そのふたりの足元には次々に、花びらが落ちていって、あっという間に積もっていく。

 もしあのとき、花びらが見えていたら。
 もしあのとき、「大丈夫」を信じなかったら。

 俺は、美羽を、救えただろうか……。