* * *

 けれど、それから数日が経って、麗衣はほんの少しずつ、優真に違和感を感じるようになった。

 上手く言えないけれど、前より少し、距離があるような……。

 廊下ですれ違っても、以前みたいに「元気?」って声をかけてくることはなかった。

 目が合えば微笑んでくれるけれど、それだけ。

 昼休みも、教室のすみで男子たちと笑いながら弁当を食べていて、麗衣の隣には、やってこない。

 冷たいわけじゃ、ないんだよね……。

 それは、不自然なような、これまで通りと言われればそんな気もするような——

 ここ最近がちょっと近すぎただけで、本当はこれくらいがふつうだったのかもしれなくて。

 避けられているわけじゃない。

 けれど、気づけばいつも、すこしだけ届かないところにいる。

そう自覚すると、やっぱり少し寂しいような気がした。