* * *
6月の朝は、晴れているのにどこか重たかった。
湿気を含んだ風が、肌にじっとりまとわりつく。
結局、蓮の熱は丸三日続き、麗衣もその間ずっと学校を休んだ。
4日目の朝、ようやく熱が下がった蓮は「今日は行けるよ」とランドセルを背負った。
それでも、まだ咳は残っている。
心配で仕方なかった麗衣は、途中まで一緒に登校し、校門前で蓮を見送った。
(ほんとは、もう1日休ませてあげたかったけど……)
きっと、休みっぱなしの私を気遣って無理をしたところもあるだろう。
蓮の優しい気持ちに申し訳なくなる。
時計を見ると、もうすぐ一限が終わる時間だった。
教室の扉を開けた瞬間、いくらかの視線がこちらを向いて、気まずさが一気に押し寄せてくる。
三日間、蓮のことで頭がいっぱいで、学校のことなんて考える余裕もなかった。
ここにきて、不意に遅刻という現実が背中に貼りつく。
ああ、私、三日も休んで、今日もまた遅刻をしてきたんだ。
そう自覚した瞬間、三日ぶりの教室が、ひどく居心地の悪い場所に思えた。
6月の朝は、晴れているのにどこか重たかった。
湿気を含んだ風が、肌にじっとりまとわりつく。
結局、蓮の熱は丸三日続き、麗衣もその間ずっと学校を休んだ。
4日目の朝、ようやく熱が下がった蓮は「今日は行けるよ」とランドセルを背負った。
それでも、まだ咳は残っている。
心配で仕方なかった麗衣は、途中まで一緒に登校し、校門前で蓮を見送った。
(ほんとは、もう1日休ませてあげたかったけど……)
きっと、休みっぱなしの私を気遣って無理をしたところもあるだろう。
蓮の優しい気持ちに申し訳なくなる。
時計を見ると、もうすぐ一限が終わる時間だった。
教室の扉を開けた瞬間、いくらかの視線がこちらを向いて、気まずさが一気に押し寄せてくる。
三日間、蓮のことで頭がいっぱいで、学校のことなんて考える余裕もなかった。
ここにきて、不意に遅刻という現実が背中に貼りつく。
ああ、私、三日も休んで、今日もまた遅刻をしてきたんだ。
そう自覚した瞬間、三日ぶりの教室が、ひどく居心地の悪い場所に思えた。



