数週間が過ぎ、虹音と和虹は急速に距離を縮めた。和虹は虹音の周りで自然に振る舞い、彼女の男装やレズビアンとしての誇りを尊重するような言葉を投げかけた。
「虹音先輩って、自分に正直で素敵です。私、もっと先輩のこと知りたいな.....」

そんな言葉に、虹音は心を開いていった。彼女はこれまで、誰とも深く関わることを避けてきた。だが、和虹の純粋さに触れるたび、彼女の中の壁が少しずつ崩れていくのを感じた。
ある雨の日の放課後、二人は旧校舎の屋上で傘を分け合った。和虹の肩が虹音に触れ、彼女の髪から漂うフローラルな香水が鼻をくすぐる。虹音は思わず和虹の頬に手を伸ばし、そっと撫でた。

「和虹、俺…お前、ほんと可愛いな」

和虹は目を伏せ、恥ずかしそうに笑った。
「先輩…そんなこと言わないでください。ドキドキしちゃう……」

その夜、虹音は自分の部屋で天井を見つめながら、和虹の笑顔を思い出した。彼女は初めて、誰かを本気で愛したいと思った。