◇ ◇ ◇
内裏へ帰参後、魚子は改めて環子について鯉白と話していた。大納言である光正とその北の方を筆頭に、一族は魚子以外全て島流しに処すると彼は語る。
「そもそも梅壺更衣がああなった背景には、環境もあるだろうからな」
「母上が呪いとか関係なく接してくださっていたら、或いは……」
「無能も相まって虐められている姉を見て、どうにかしたいと言ってきたそうだ。零烙が吐いた内容が正しければな」
――玉条一族の術により、環子の鱗は全て魚子に押し付けられた。
魚子を襲い捕縛された零烙は、厳しい尋問を受け、環子との関係について、白状している最中だと鯉白は語る。
「改めて言います。環子も鱗を持っていたとは知りませんでした……」
あの日、環子が何度もよかったぁ。と口にしていた理由がなんとなく理解できたような気がする。彼女はそこまで権力と美に執着していたのかと驚きもあるが。
「それと零烙とその父は、梅壺更衣に黄龍の加護については何も伝えていなかったようだ」
「……なぜでしょう。それも考えると、環子はもったいない事をしましたね」
「そうだな。あの女だ。零烙達2人からの信用を得ていたとは言い難い。事実、零烙は取り調べであの女の事を罵倒している」
だが、もうそのような醜悪な彼女について考える必要はなくなった。魚子の胸の中は一点の曇りがないくらい澄み渡っている。
「御上」
「魚子? ……ほほう。そなた、そのような表情も出来るのだな」
「御上のおかげでございます。あなたを信じて本当によかった」
もう疑心暗鬼な醜い蜥蜴はいない。魚子は自信に満ち溢れている。鯉白がははは……と笑うと優しく魚子の身体を抱き締めた。
その後、魚子は元気な皇子を出産した。環子は流罪先の島で光正達から目の敵……蜥蜴として扱われているらしい。
皇后となった魚子は黄龍の加護を持つ龍后として広く知られる事となる。皇龍一族にかけられた龍滅の呪いも全て解け、鯉白は100歳、2人の子は110歳まで生きた。
内裏へ帰参後、魚子は改めて環子について鯉白と話していた。大納言である光正とその北の方を筆頭に、一族は魚子以外全て島流しに処すると彼は語る。
「そもそも梅壺更衣がああなった背景には、環境もあるだろうからな」
「母上が呪いとか関係なく接してくださっていたら、或いは……」
「無能も相まって虐められている姉を見て、どうにかしたいと言ってきたそうだ。零烙が吐いた内容が正しければな」
――玉条一族の術により、環子の鱗は全て魚子に押し付けられた。
魚子を襲い捕縛された零烙は、厳しい尋問を受け、環子との関係について、白状している最中だと鯉白は語る。
「改めて言います。環子も鱗を持っていたとは知りませんでした……」
あの日、環子が何度もよかったぁ。と口にしていた理由がなんとなく理解できたような気がする。彼女はそこまで権力と美に執着していたのかと驚きもあるが。
「それと零烙とその父は、梅壺更衣に黄龍の加護については何も伝えていなかったようだ」
「……なぜでしょう。それも考えると、環子はもったいない事をしましたね」
「そうだな。あの女だ。零烙達2人からの信用を得ていたとは言い難い。事実、零烙は取り調べであの女の事を罵倒している」
だが、もうそのような醜悪な彼女について考える必要はなくなった。魚子の胸の中は一点の曇りがないくらい澄み渡っている。
「御上」
「魚子? ……ほほう。そなた、そのような表情も出来るのだな」
「御上のおかげでございます。あなたを信じて本当によかった」
もう疑心暗鬼な醜い蜥蜴はいない。魚子は自信に満ち溢れている。鯉白がははは……と笑うと優しく魚子の身体を抱き締めた。
その後、魚子は元気な皇子を出産した。環子は流罪先の島で光正達から目の敵……蜥蜴として扱われているらしい。
皇后となった魚子は黄龍の加護を持つ龍后として広く知られる事となる。皇龍一族にかけられた龍滅の呪いも全て解け、鯉白は100歳、2人の子は110歳まで生きた。



