「御上ぃ。仲睦まじい中申し訳ありませんがぁ、これからどうするおつもりでございますかぁ?」

 のほほんとした透子の声が甘い空気を切り裂いた。魚子は急いで彼から距離を取る。
 鯉白はそうだった……! と後頭部をぽりぽり掻きつつ、しばらく悩む顔を見せると突如そうだ! と大きな声を挙げた。

「あの妖を利用しよう」