「おい、何をする!」
掌から放たれた黄金の光は、零烙の身体を纏っていた呪いを包むようにして浄化させていった。
この結果には零烙や鯉白だけでなく、魚子自身も驚愕する。
(これが……私の異能……よくわからないけど、例えるなら万能になった感覚がする……)
「魚子、呪いが全て解けているようだ」
「そ、そうなんですか?!」
まだぽやぽやとした感じが残る魚子だが、鯉白は後ろから彼女の肩を優しく掴んで零烙から引きはがした。
護衛達には彼を縄で縛ってから連れていくようにと命じる。
零烙はまだ呪いが解けた事を受け入れられていないのか、きょとんとした顔を見せるだけだ。
「黄龍の加護か、これが……」
零烙の虚ろな呟きは、護衛の足音にかき消される。
「陰陽寮からも3人程連れてこい。もしこやつが何か異能を爆発させては堪らん。それに裏に誰かいるはずだ。必ず全て吐かせろ」
「仰せのままに」
捕縛された零烙の消えゆく後ろ姿を眺めつつ、己の右手をまじまじと見つめる。
「異能って、こんな感じなのね……」
右手にはまだ、優しく温かな温度が残っている。試しに手から光を放つような光景を想像しながら力を入れてみた。
「本当だ。光が出ている」
「魚子、怪我はなかったか?」
後ろから声を掛けてきた鯉白に、いいえ。なんとも。と返した彼女は、脳内で光を消す光景を想像した。
「……消えた」
「どうやら、異能の使い方が分かって来たか?」
「いや、まだ全然自信がありません」
謙遜する魚子へ、鯉白はまだ心配そうな瞳をしていた。彼女は身体には何にもなく、鯉白が来るまでに起きた事を全て話した。
「なるほど……わかった。いずれにせよそなたを流産させようとした不届者は、容赦なく罰するのみだ」
掌から放たれた黄金の光は、零烙の身体を纏っていた呪いを包むようにして浄化させていった。
この結果には零烙や鯉白だけでなく、魚子自身も驚愕する。
(これが……私の異能……よくわからないけど、例えるなら万能になった感覚がする……)
「魚子、呪いが全て解けているようだ」
「そ、そうなんですか?!」
まだぽやぽやとした感じが残る魚子だが、鯉白は後ろから彼女の肩を優しく掴んで零烙から引きはがした。
護衛達には彼を縄で縛ってから連れていくようにと命じる。
零烙はまだ呪いが解けた事を受け入れられていないのか、きょとんとした顔を見せるだけだ。
「黄龍の加護か、これが……」
零烙の虚ろな呟きは、護衛の足音にかき消される。
「陰陽寮からも3人程連れてこい。もしこやつが何か異能を爆発させては堪らん。それに裏に誰かいるはずだ。必ず全て吐かせろ」
「仰せのままに」
捕縛された零烙の消えゆく後ろ姿を眺めつつ、己の右手をまじまじと見つめる。
「異能って、こんな感じなのね……」
右手にはまだ、優しく温かな温度が残っている。試しに手から光を放つような光景を想像しながら力を入れてみた。
「本当だ。光が出ている」
「魚子、怪我はなかったか?」
後ろから声を掛けてきた鯉白に、いいえ。なんとも。と返した彼女は、脳内で光を消す光景を想像した。
「……消えた」
「どうやら、異能の使い方が分かって来たか?」
「いや、まだ全然自信がありません」
謙遜する魚子へ、鯉白はまだ心配そうな瞳をしていた。彼女は身体には何にもなく、鯉白が来るまでに起きた事を全て話した。
「なるほど……わかった。いずれにせよそなたを流産させようとした不届者は、容赦なく罰するのみだ」



