透子が右手の指先を魚子に向けると、そこから鬼火を放つ。赤い鬼火はゆらゆらと浮遊しながら、魚子の元へ近づいてきた。
「女御様ぁ、試しに触ってみてくださいませぇ。あ、やけどはしませんからご安心を」
言われた通りに魚子が鬼火へ右手を伸ばした瞬間、泡のように弾けて消えてしまった。
「ほら、やはり」
「や、やはり……? 透子さん、一体どういう事で」
「この鬼火はぁ、私よりも異能が高い者しか消せません〜。でも女御様は触れずに消しちゃいましたぁ」
「……ッ!」
すなわち今の自分は、異能を持っている。それも強力なものを――。そう理解した瞬間、魚子の視界が派手に揺らいだ。
「魚子?! ……先ほどから異変が立て続けに起きている……医者を呼べ! 申し訳ないが宴は中止だ!」
「御意!」
慌てふためく女房達の声と、鯉白が自身を抱き締めている感覚を最後に、魚子の意識はぱたりと消えた。
「女御様ぁ、試しに触ってみてくださいませぇ。あ、やけどはしませんからご安心を」
言われた通りに魚子が鬼火へ右手を伸ばした瞬間、泡のように弾けて消えてしまった。
「ほら、やはり」
「や、やはり……? 透子さん、一体どういう事で」
「この鬼火はぁ、私よりも異能が高い者しか消せません〜。でも女御様は触れずに消しちゃいましたぁ」
「……ッ!」
すなわち今の自分は、異能を持っている。それも強力なものを――。そう理解した瞬間、魚子の視界が派手に揺らいだ。
「魚子?! ……先ほどから異変が立て続けに起きている……医者を呼べ! 申し訳ないが宴は中止だ!」
「御意!」
慌てふためく女房達の声と、鯉白が自身を抱き締めている感覚を最後に、魚子の意識はぱたりと消えた。



