「玉条一族は今でも優秀な陰陽師を輩出している。気を付けるに越したことはない」
「……かしこまりました、御上」
陰陽師は異能の扱いや妖の知識、占いなどに優れていて、妖華国に無くてはならない存在だ。だが魚子にとっては良い印象はひとつもない。
自分に黒い蜥蜴の呪いがかけられたと判断を下し、座敷牢に閉じ込められるきっかけを作ったのは陰陽師だった。環子とは毎日のように関わっていた怪しい存在な印象が強い。
「とにかくだ。余がそなたに申した事に嘘偽りはない。という事だけ覚えていてくれればよい」
「は、仰せのままに……」
「堅苦しいな。たまには初めて出会った時のような鋭さを見せてくれても良いのだぞ?」
袖で口元を隠しながら目を細めて笑う鯉白の顔は耽美さが浮かんでいるが、一方でなんだかむっとする感覚も与えられる。
魚子は口を尖らせながら、もう忘れてください……。と返すのがやっとだった。
「私はあなたを信じる事に決めたのですから」
「その意気やよし。けれども余としても弱弱しいそなたよりも意志の強さを出したそなたの方が、そなたらしいと思うがな」
「では、ふたりっきりの時はなるべくそういたしますね?」
反撃と口ぶりに鯉白はただ優雅に微笑むだけ。
ああ、この人にはかなわないな。と心の中でつぶやいた魚子は小さく微笑む。そのままなし崩し的に鯉白からの寵愛を身に刻んでいったのだった。
「……かしこまりました、御上」
陰陽師は異能の扱いや妖の知識、占いなどに優れていて、妖華国に無くてはならない存在だ。だが魚子にとっては良い印象はひとつもない。
自分に黒い蜥蜴の呪いがかけられたと判断を下し、座敷牢に閉じ込められるきっかけを作ったのは陰陽師だった。環子とは毎日のように関わっていた怪しい存在な印象が強い。
「とにかくだ。余がそなたに申した事に嘘偽りはない。という事だけ覚えていてくれればよい」
「は、仰せのままに……」
「堅苦しいな。たまには初めて出会った時のような鋭さを見せてくれても良いのだぞ?」
袖で口元を隠しながら目を細めて笑う鯉白の顔は耽美さが浮かんでいるが、一方でなんだかむっとする感覚も与えられる。
魚子は口を尖らせながら、もう忘れてください……。と返すのがやっとだった。
「私はあなたを信じる事に決めたのですから」
「その意気やよし。けれども余としても弱弱しいそなたよりも意志の強さを出したそなたの方が、そなたらしいと思うがな」
「では、ふたりっきりの時はなるべくそういたしますね?」
反撃と口ぶりに鯉白はただ優雅に微笑むだけ。
ああ、この人にはかなわないな。と心の中でつぶやいた魚子は小さく微笑む。そのままなし崩し的に鯉白からの寵愛を身に刻んでいったのだった。



