魚子らが暮らす妖華国は大陸の極東に位置し、八百万とも言われる数の妖と人間が共存する国である。遥か昔から共存と交配が行われてきた結果、今は人間と妖両方の性質を併せ持った人々が多く存在している。たとえ人間であっても暮らしぶりに関わらず特別な能力、すなわち異能を持っている事がほとんどだった。
異能も千差万別で火や水を操る事が出来るものから、道具を操るものまで大小さまざま。
魚子は大納言佑光正と、その北の方の娘。生まれつき異能が無く、名家出身な北の方は美しいものしか愛さない性格ゆえに、欠陥品として扱っていた。
魚子が物心ついた時には既に足裏や腹部など身体の一部分には黒い鱗が覆っていた。鱗の感触は蜥蜴や蛇のそれと近く、細かくてざらざらとしている。当初は衣服を身に纏えばごまかせる程度だったが、魚子が7つの頃、朝目が覚めると頬の下などほぼ全身に発現した。
「呪いだ! これは蜥蜴の呪い、触れるとあなた方は死にますぞ!」
屋敷へ毎日やってきている陰陽師がそう判断を下してから、魚子の暮らしは一変した。光正と北の方は、魚子を腫れものとしてより忌み嫌うようになり、彼女を座敷牢の中へと閉じ込めてしまった。
異能も千差万別で火や水を操る事が出来るものから、道具を操るものまで大小さまざま。
魚子は大納言佑光正と、その北の方の娘。生まれつき異能が無く、名家出身な北の方は美しいものしか愛さない性格ゆえに、欠陥品として扱っていた。
魚子が物心ついた時には既に足裏や腹部など身体の一部分には黒い鱗が覆っていた。鱗の感触は蜥蜴や蛇のそれと近く、細かくてざらざらとしている。当初は衣服を身に纏えばごまかせる程度だったが、魚子が7つの頃、朝目が覚めると頬の下などほぼ全身に発現した。
「呪いだ! これは蜥蜴の呪い、触れるとあなた方は死にますぞ!」
屋敷へ毎日やってきている陰陽師がそう判断を下してから、魚子の暮らしは一変した。光正と北の方は、魚子を腫れものとしてより忌み嫌うようになり、彼女を座敷牢の中へと閉じ込めてしまった。



