醜い蜥蜴姫は短命帝に見初められ、龍后となる。~御上の子を身ごもったら、国の守護龍の加護に目覚めました~

「あんな醜いものを内裏の者達にお見せするなど……! 佑家の名誉に関わる! なぜ御上はそう仰せなのだ!」

 光正は黒い立烏帽子を揺らしながら激しく怒り出す。怒りを見せるのは北の方と環子もだった。

「あの醜い蜥蜴姫でございますよ?! 宮中の者達に呪いを振りまくような事があれば……! 御上は一体何をお考えなのですか!」
「そうですわ! あんな蜥蜴、私の随伴など嫌でございます!」

 口々に反対を示す3人だが、束帯姿の男性達はこれは帝の思し召しでございますぞ。と冷たい言葉で返すだけ。
 当然どのような命令であっても、帝直々に下した勅命となれば逆らう事は出来ない。逆らえば帝に反旗を翻す、すなわち逆賊も同じとされるからだ。

 (嫌ならさっさと殺してくれたら楽になれるのに)

 ざわめく3人を尻目に魚子は心の中でそうつぶやく。
 最終的に環子らは渋々魚子を連れていく事を許可し、こうして彼女も後宮で暮らすようになったのだ。