「あー、しくじった」
眞弓佐奈はテーブルに置きっぱなしにしていたスマートフォンを手に取り、表示された時刻に大きな息を吐いた。現在二十三時五十分。ちょうど終電の時間だ。ここは居酒屋。つまり、もう帰宅は叶わないということである。
「タクシー? いや、無理無理」
首を振って今の提案を退ける。給料日まであと五日、そして今日の居酒屋代を考えれば、これ以上の散財は許されない。
「歩いて帰る? うーん、二時間近くかかりそう」
悩みながらもレジに向かう。すると、レジ前で何やら揉め事が起きていた。
百八十センチはありそうな黒髪の青年と店員。支払い関連で行き違いでもあったのだろう。居酒屋という場所なだけに、珍しいことではない。
「ですから」
店員が必死に説明しているのを横目に青年の後ろに並ぶ。振り向いた青年とばっちり目が合った。
「清問下!」
必死な店員以上に眉を下げた青年は驚くほどに整った顔をしていた。
──あら中国語。
どうやら、行き違いというより言葉の違いで苦戦しているらしい。佐奈は大学時代培った中国語で返答した。
『どうしました?』
『中国語を話せるんですか?』
『少しね』
青年の話では、クレジットカードを使用したいのに店員に拒否されているとのことだった。レジの案内を見ると、現金のみ。手数料の関係で最近現金しか使えない店が増えていると聞いたが、残念ながら青年は運が悪かったらしい。
『ここは現金のみみたいですよ』
『現金? 現金かぁ……これで足りますか?』
青年が財布の中身を全て取り出す。千二百十円、しかしレジの提示は千五百円だった。
「あと二百九十円お願いいたします」
『お姉さん、店員さんはなんて言ってますか?』
『あと二百九十円足りないって』
『そんなぁ!』
青年が悲鳴を上げるものだから、店員が大きく肩を揺らしてしまった。
「大丈夫です。驚いただけみたいなので。残りは私が支払いますね」
「お客様、対応していただき申し訳ありません。二百九十円頂きまして、千五百円ちょうどになります」
佐奈が足りない分を支払うと、青年は目を真ん丸にさせて見つめてきた。レシートを青年に渡し、自分の分も手早く済ませる。
「本当にお世話になりました。有難う御座います」
「いえ、ごちそうさまでした」
店員に挨拶をし、くるりと青年に向き直る。
『え、え』
『もう会計は終わったから外に出ましょう』
驚く青年と一緒に二人で外に出る。用の終わった佐奈が帰ろうとすると、青年が追いかけてきた。
『あの、有難う御座います』
『少ない額だったし、大丈夫です。困った時はお互い様ってね』
『でも』
青年が困った様子でこちらを見つめる。先ほどより近くなった距離は青年の端正な顔をまざまざと見せつけてきて、佐奈は思わず一歩後ずさってしまった。
──顔が良すぎるって!
初めから気付いていたが、何度見ても青年の顔は美しかった。
『お礼、したいです』
『お礼されるほどじゃないので』
両手を振って断ると、青年はしゅんと肩を落とした。それが昔飼っていた大型犬のようでほうっておけなくなってしまう。
『ん~……一つ聞きたいんですけど、終電はありますか?』
『終電? ……あ、無い!』
スマートフォンの画面を見つめたまま固まった様子が面白くて、佐奈は思わず吹き出してしまった。
『あはは、私もです。そうしたら、始発までやってる居酒屋でも行きますか? それがお礼ってことで』
『それでいいんですか?』
『いいですよ。私もちょうど終電無くして困っていたので』
普段はこんな無防備なことを言わないと思いつつ、佐奈は青年と並んで歩き出した。
青年は王一学と名乗った。彼は最近日本に来たそうで、日本語はほとんど話せないという。それでもどうにか美味しいものが食べたくて店に入ったが、支払方法が分からず途方に暮れていたらしい。
個室付きの居酒屋を見つけて入る。すでに終電後なため、客もまばらであった。
「あ、結構する」
メニューを見たら、普段入るところより高い設定だった。持ち合わせがあるか不安になるが、足りなければカードを使用すればいい。
『ここ、僕のおごりね。さっきのお礼』
『え、悪いよ』
『いいの、お金の心配はしないで』
『そう? じゃあ、お言葉に甘えて。ありがとう』
自分の分は出そうと思っていたのに、スマートに言われて思わず受け入れてしまった。初対面相手だというのに慣れたものだ。
とはいってもすでに二軒目。お腹は満たされているため、二人は飲み物とつまみを一品だけ頼んで会話を楽しんだ。
『一学は仕事で来たんだ。じゃあ二十代?』
『そう。佐奈も二十代?』
『うん。一学より年上だと思うけど』
『どっちでもいいよ。関係ないでしょ』
そう言って笑う彼がまるで画面越しに観るような華やかさを持っていて、佐奈は手元のサワーに目線を落とした。
社会人になってからは飲み会も会社の同僚とばかりだったので、こうして出来たばかりの友人と飲むのは新鮮なことだらけだ。
『大学生に戻ったみたい』
『楽しい?』
『うん』
一学は声が良い。顔も声も良いなんて、とんでもない逸材に出会ってしまった。きっと明日になればいつもの日常に戻って、今夜の出来事は泡となって消えるだろう。それなら、この数時間の奇跡をめいっぱい堪能しよう。
『もう一杯頼む?』
佐奈の飲み物の減り具合を見て一学がメニューを渡してくる。さりげない気配りが嬉しくなった。
『日本は出張で来たの?』
『まあ、そんなところ。日本は初めて来たんだ。少し勉強したけど、日本語難しいね』
『そうだねぇ、母国語だと分からないけど難しい言語って言われているらしいから』
一人称一つとっても複数の言い方がある。漢字は中国語と同じものも多いが、読み方が沢山あって混乱するだろう。これを勉強として一から学ぶのは実に骨の折れる作業だ。
『じゃあ、せっかくの機会だし、仕事で役立つようこの時間は私が日本語の先生になるよ。知りたい日本語とかある?』
『佐奈が先生? 心強いなぁ』
まずは簡単な挨拶から始まり、日常会話で使うような言葉を順に教えていった。日本語の発音が難しいと言っているが、佐奈にとっては中国語の方が難しいと思う。
「わたし、おれ、ぼく……」
『男性だと俺か僕が多くて、ビジネスの時は私を使うこともあるよ』
『なんでこんなにあるの?』
『使う人は少ないけど実は他にもある』
『ええッ』
頭を抱える一学が可愛らしくて吹き出しそうになるのを我慢する。彼は一生懸命勉強をしている最中だから、理由はどうあれ笑うのは失礼にあたる。ちなみに、一番言いやすいからということで一学の一人称は僕に決定した。
『好きですはなんて言う?』
『好き? 愛してる?』
『どっちも教えて』
スマートフォンのメモアプリに教わった言葉を書いていく一学はとても勉強熱心だ。この分なら、きっと仕事もやり手なのだろう。
「あいしてる」
たった今学んだことを佐奈に向けて言うものだから、勉強しているだけなのに妙にドキドキしてしまう。顔が良いのが悪い。
『他に知りたい単語とかある?』
慌てて次の話題に移ろうとすると、一学が佐奈を見つめて答えた。
『今度は佐奈のこと知りたい』
『私の……?』
『日本に来て初めての友人だから』
『ああ、友人ね! でも、面白いことは言えないよ』
『いいよ、佐奈のことなら何でも』
最初は渋りながらも、どんなに小さなことでも一学が真剣に聞いてくれるので、佐奈は学生時代のことや仕事のことを説明していった。日本と中国では学ぶことや文化が違うので興味深いと一学は一つ一つ感心して聞いていた。
『そろそろ会計にしよう』
『うん』
間もなく始発というところで店を出ることになり、おもむろに取り出した眼鏡に佐奈が注目する。
『眼鏡だ』
『うん、ちょっとね』
さりげなくかける仕草がまた様になっていて、年下なのに時折年上に思えてくる。素顔はもちろん、眼鏡姿も良い。これでさよならかと思うと残念でならない。
連絡先は交換したけれども、そういう場所で交換したわけではない。たまたま出来た友人は日々の忙しさに埋もれて、いずれデータも消されるだろう。
『じゃあ、出ようか』
個室のドアに手をかけたところで、そこに一学の手を重ねられる。佐奈の心臓が跳ねた。
『えと』
『今日は楽しかった。こんなに素敵な佐奈と出会えて嬉しかったよ』
『そそ、そう。それはよかった。私も一学と過ごせて楽しかったよ』
どうにも気恥ずかしくて目を合わせられなかった。それでも一学の楽し気な声が帰ってきたので安心した。
『もし嫌じゃなかったら、また今度こうやって食事しない?』
『いいよ』
今度こそ振り返る。愛想笑いになってやしないか、確かめる術は無い。
会計は一学がした。現金オンリーではないことに喜んでいて笑ってしまった。
『これからは支払方法を確認してからお店に入る』
『それがいいね』
二人、顔を見合わせて笑う。数時間前初対面だったとは思えない。しかし、もうすぐ他人に戻る。
最寄り駅までは静かに歩いた。言葉は無いが、気まずさも無い。まるでずっと前から友人だったみたいだった。
『じゃあ、ここで』
『うん』
改札を通ったところで別れる。離れようとしたところで、一学が手を挙げた。
『また、会おうね』
『うん』
社交辞令か本音かは分からない。どちらでもいい。もう一度機会があったら、今度は明るい時間に会いたい。
始発電車に乗り込む。人はまばらで、なんだかふわふわとした気分だ。間もなく現実がやってくる。
眞弓佐奈はテーブルに置きっぱなしにしていたスマートフォンを手に取り、表示された時刻に大きな息を吐いた。現在二十三時五十分。ちょうど終電の時間だ。ここは居酒屋。つまり、もう帰宅は叶わないということである。
「タクシー? いや、無理無理」
首を振って今の提案を退ける。給料日まであと五日、そして今日の居酒屋代を考えれば、これ以上の散財は許されない。
「歩いて帰る? うーん、二時間近くかかりそう」
悩みながらもレジに向かう。すると、レジ前で何やら揉め事が起きていた。
百八十センチはありそうな黒髪の青年と店員。支払い関連で行き違いでもあったのだろう。居酒屋という場所なだけに、珍しいことではない。
「ですから」
店員が必死に説明しているのを横目に青年の後ろに並ぶ。振り向いた青年とばっちり目が合った。
「清問下!」
必死な店員以上に眉を下げた青年は驚くほどに整った顔をしていた。
──あら中国語。
どうやら、行き違いというより言葉の違いで苦戦しているらしい。佐奈は大学時代培った中国語で返答した。
『どうしました?』
『中国語を話せるんですか?』
『少しね』
青年の話では、クレジットカードを使用したいのに店員に拒否されているとのことだった。レジの案内を見ると、現金のみ。手数料の関係で最近現金しか使えない店が増えていると聞いたが、残念ながら青年は運が悪かったらしい。
『ここは現金のみみたいですよ』
『現金? 現金かぁ……これで足りますか?』
青年が財布の中身を全て取り出す。千二百十円、しかしレジの提示は千五百円だった。
「あと二百九十円お願いいたします」
『お姉さん、店員さんはなんて言ってますか?』
『あと二百九十円足りないって』
『そんなぁ!』
青年が悲鳴を上げるものだから、店員が大きく肩を揺らしてしまった。
「大丈夫です。驚いただけみたいなので。残りは私が支払いますね」
「お客様、対応していただき申し訳ありません。二百九十円頂きまして、千五百円ちょうどになります」
佐奈が足りない分を支払うと、青年は目を真ん丸にさせて見つめてきた。レシートを青年に渡し、自分の分も手早く済ませる。
「本当にお世話になりました。有難う御座います」
「いえ、ごちそうさまでした」
店員に挨拶をし、くるりと青年に向き直る。
『え、え』
『もう会計は終わったから外に出ましょう』
驚く青年と一緒に二人で外に出る。用の終わった佐奈が帰ろうとすると、青年が追いかけてきた。
『あの、有難う御座います』
『少ない額だったし、大丈夫です。困った時はお互い様ってね』
『でも』
青年が困った様子でこちらを見つめる。先ほどより近くなった距離は青年の端正な顔をまざまざと見せつけてきて、佐奈は思わず一歩後ずさってしまった。
──顔が良すぎるって!
初めから気付いていたが、何度見ても青年の顔は美しかった。
『お礼、したいです』
『お礼されるほどじゃないので』
両手を振って断ると、青年はしゅんと肩を落とした。それが昔飼っていた大型犬のようでほうっておけなくなってしまう。
『ん~……一つ聞きたいんですけど、終電はありますか?』
『終電? ……あ、無い!』
スマートフォンの画面を見つめたまま固まった様子が面白くて、佐奈は思わず吹き出してしまった。
『あはは、私もです。そうしたら、始発までやってる居酒屋でも行きますか? それがお礼ってことで』
『それでいいんですか?』
『いいですよ。私もちょうど終電無くして困っていたので』
普段はこんな無防備なことを言わないと思いつつ、佐奈は青年と並んで歩き出した。
青年は王一学と名乗った。彼は最近日本に来たそうで、日本語はほとんど話せないという。それでもどうにか美味しいものが食べたくて店に入ったが、支払方法が分からず途方に暮れていたらしい。
個室付きの居酒屋を見つけて入る。すでに終電後なため、客もまばらであった。
「あ、結構する」
メニューを見たら、普段入るところより高い設定だった。持ち合わせがあるか不安になるが、足りなければカードを使用すればいい。
『ここ、僕のおごりね。さっきのお礼』
『え、悪いよ』
『いいの、お金の心配はしないで』
『そう? じゃあ、お言葉に甘えて。ありがとう』
自分の分は出そうと思っていたのに、スマートに言われて思わず受け入れてしまった。初対面相手だというのに慣れたものだ。
とはいってもすでに二軒目。お腹は満たされているため、二人は飲み物とつまみを一品だけ頼んで会話を楽しんだ。
『一学は仕事で来たんだ。じゃあ二十代?』
『そう。佐奈も二十代?』
『うん。一学より年上だと思うけど』
『どっちでもいいよ。関係ないでしょ』
そう言って笑う彼がまるで画面越しに観るような華やかさを持っていて、佐奈は手元のサワーに目線を落とした。
社会人になってからは飲み会も会社の同僚とばかりだったので、こうして出来たばかりの友人と飲むのは新鮮なことだらけだ。
『大学生に戻ったみたい』
『楽しい?』
『うん』
一学は声が良い。顔も声も良いなんて、とんでもない逸材に出会ってしまった。きっと明日になればいつもの日常に戻って、今夜の出来事は泡となって消えるだろう。それなら、この数時間の奇跡をめいっぱい堪能しよう。
『もう一杯頼む?』
佐奈の飲み物の減り具合を見て一学がメニューを渡してくる。さりげない気配りが嬉しくなった。
『日本は出張で来たの?』
『まあ、そんなところ。日本は初めて来たんだ。少し勉強したけど、日本語難しいね』
『そうだねぇ、母国語だと分からないけど難しい言語って言われているらしいから』
一人称一つとっても複数の言い方がある。漢字は中国語と同じものも多いが、読み方が沢山あって混乱するだろう。これを勉強として一から学ぶのは実に骨の折れる作業だ。
『じゃあ、せっかくの機会だし、仕事で役立つようこの時間は私が日本語の先生になるよ。知りたい日本語とかある?』
『佐奈が先生? 心強いなぁ』
まずは簡単な挨拶から始まり、日常会話で使うような言葉を順に教えていった。日本語の発音が難しいと言っているが、佐奈にとっては中国語の方が難しいと思う。
「わたし、おれ、ぼく……」
『男性だと俺か僕が多くて、ビジネスの時は私を使うこともあるよ』
『なんでこんなにあるの?』
『使う人は少ないけど実は他にもある』
『ええッ』
頭を抱える一学が可愛らしくて吹き出しそうになるのを我慢する。彼は一生懸命勉強をしている最中だから、理由はどうあれ笑うのは失礼にあたる。ちなみに、一番言いやすいからということで一学の一人称は僕に決定した。
『好きですはなんて言う?』
『好き? 愛してる?』
『どっちも教えて』
スマートフォンのメモアプリに教わった言葉を書いていく一学はとても勉強熱心だ。この分なら、きっと仕事もやり手なのだろう。
「あいしてる」
たった今学んだことを佐奈に向けて言うものだから、勉強しているだけなのに妙にドキドキしてしまう。顔が良いのが悪い。
『他に知りたい単語とかある?』
慌てて次の話題に移ろうとすると、一学が佐奈を見つめて答えた。
『今度は佐奈のこと知りたい』
『私の……?』
『日本に来て初めての友人だから』
『ああ、友人ね! でも、面白いことは言えないよ』
『いいよ、佐奈のことなら何でも』
最初は渋りながらも、どんなに小さなことでも一学が真剣に聞いてくれるので、佐奈は学生時代のことや仕事のことを説明していった。日本と中国では学ぶことや文化が違うので興味深いと一学は一つ一つ感心して聞いていた。
『そろそろ会計にしよう』
『うん』
間もなく始発というところで店を出ることになり、おもむろに取り出した眼鏡に佐奈が注目する。
『眼鏡だ』
『うん、ちょっとね』
さりげなくかける仕草がまた様になっていて、年下なのに時折年上に思えてくる。素顔はもちろん、眼鏡姿も良い。これでさよならかと思うと残念でならない。
連絡先は交換したけれども、そういう場所で交換したわけではない。たまたま出来た友人は日々の忙しさに埋もれて、いずれデータも消されるだろう。
『じゃあ、出ようか』
個室のドアに手をかけたところで、そこに一学の手を重ねられる。佐奈の心臓が跳ねた。
『えと』
『今日は楽しかった。こんなに素敵な佐奈と出会えて嬉しかったよ』
『そそ、そう。それはよかった。私も一学と過ごせて楽しかったよ』
どうにも気恥ずかしくて目を合わせられなかった。それでも一学の楽し気な声が帰ってきたので安心した。
『もし嫌じゃなかったら、また今度こうやって食事しない?』
『いいよ』
今度こそ振り返る。愛想笑いになってやしないか、確かめる術は無い。
会計は一学がした。現金オンリーではないことに喜んでいて笑ってしまった。
『これからは支払方法を確認してからお店に入る』
『それがいいね』
二人、顔を見合わせて笑う。数時間前初対面だったとは思えない。しかし、もうすぐ他人に戻る。
最寄り駅までは静かに歩いた。言葉は無いが、気まずさも無い。まるでずっと前から友人だったみたいだった。
『じゃあ、ここで』
『うん』
改札を通ったところで別れる。離れようとしたところで、一学が手を挙げた。
『また、会おうね』
『うん』
社交辞令か本音かは分からない。どちらでもいい。もう一度機会があったら、今度は明るい時間に会いたい。
始発電車に乗り込む。人はまばらで、なんだかふわふわとした気分だ。間もなく現実がやってくる。



