ー朝が来た、いつも通りで明るい眩しすぎる朝。目覚ましで起きた俺は夜更かしのせいで体も瞼も重く朝から母に笑われる。
「おはようあおちゃん、なんだか眠れてなさそうだわ。何かあった?」
「…っ!なんでもないよ…」
「?そう?わかったわ…」
(こんなすぐ勘付かれるとは母とは恐ろしいものだ)
母と朝食をとっていつも通り準備して、時間になるとインターホンが鳴る「はーい」と声をあげてドアを開けばいつも通りの二人がいる。
「はよー」
「おはよう、今日はちょっと眠そうだね?」
(また笑ってる)
相変わらずニコニコと笑っているわけだが、そんなことより俺は甘崎の言っていた過去を知りたい。
「どうしたんだよ青砥、まじ元気ないぞ。いつもないけど」
「一言余分だ…」
「確かに元気なさそうだねえ…」
(いや、元凶お前だろ、いい迷惑だ)
ゆるく話しながら歩いて気づけば学校で、普通に学校生活が始まった、と思ったのも束の間、青春といえばの文化祭が始まろうとしていた。
ー「出し物どうしますか〜」
学級委員が残暑にやられてしなったみんなに質問を投げかける。答えるのは文化祭への企みを持ちつつ、待ち望んでいたクラスのヲタクたちと自分達が主役になれるような気がしてるいわゆる一軍の女子達だ。
「やっぱり、メイド・執事喫茶がいいと思いまーす!」
ー「…もうちょっと真剣に考えろってな、何言ってんだあいつら」
「きっと自分が主役になれる自信があるんだね」
甘崎から少し貼り付け気味の笑顔が溢れた。
「メイド喫茶とかもうちょいマシなのあるだろ、劇とかただのカフェとか」
「それじゃ面白みにかけー」
「何を言っているんだ!!!!」
食い気味で話に入ってきたのは斜め右後ろの席の和希だ。
「メイド喫茶これほどに儲かるもの無いだろ!」
「…お前メイドやんの?」
「んなわけねぇだろうが」
そんなふうに微細な笑いが起きている間に本当にメイド・執事喫茶に決まってしまった。
「は?本当にやんのかメイド喫茶…」
そんなふうにイラついてると妙にがっしりとした白い腕が俺の手首を締め付けた。
「んだよ、甘崎お前メイドやりたいんだな?」
「…って」
「ん?聞こえなかったなにー」
「メイドやって!!執事じゃなくて!メイド!!!」
こいつ踊りすぎて頭おかしくなったんじゃ無いか?思わずデコピンしてやってみたがどうやら狂いは治っていならしい。
「なんで俺がやらなきゃいけねぇんだよ、そもそも女子がやるものだろーが!」
「なーに言ってんの、身長が可愛くて、目もクリクリしててこんな可愛い男の子メイドにしない手はあるの?しかも今の時代はジェンダーレスですよー」
「服装などについては後で決めますよー」
明らかに俺たちの会話を聞いていた学級委員が言った。なんとも恥ずかしいものだ。
ーそんなこんなで出し物準備が始まり学年中がピリピリし出した。口を開けば話し合い、クラスじゅうからそんな声が飛び交う状態だ。こっちまで気が重くなる。
「大丈夫?あおちゃん」
「まぁ、一応管理部だからそこまで苦労はしてねぇけど、聞いてるとこっちまで疲れてくるわ」
「わかる、僕たちなんて接客のマニュアル渡されて叩き込まれてるんだよ?もうやだ!」
「俺もやってるけどな…」
「あ、そうだよね!しかもメイドじゃなくて執事の方!」
結局あの後、流石に執事に変えてもらった俺は甘崎にくどくど文句を言われている。本気でやると思ったのか、バカにも程があるだろ…そんなこんなで学校生活は忙しく進んでいった。
ー「青砥〜!今日俺学校残る日だから先帰ってて〜!」
「はーい」
今日は和希がいない。文化祭の準備でクラスでグループ分けがされ、今日は和希のグループが残る番だった。甘崎と2人きり…2人きり?あいつにこの前のこと聞くチャンス、よし聞こう。
ー「お待たせ」
「あおちゃーん!遅いよお〜」
「そんな待たせたっけ、少しトイレ行ってただけじゃん」
「僕にとっては結構長い時間ですー」
「はいはい、早く帰ろうぜ」
(バス降りてから徒歩だし人も少なくなってきた、今だ)
「な、なぁ甘崎…」
「んー?千陽ってよんでよ」
「あぁ、千陽、この前言ってた昔のことってなんなんだ?今ちょうどいいし教えろよ」
「えーどうしよっかなあ…あ、僕の家おいでよそこで教えてあげる」
「?わかった」
そこから何気ない会話をしつつ千陽の家に向かった。
ー「いらっしゃーい」
「急にあがっていいのか?親とか…」
「うん!大丈夫、基本的に親仕事だからあんま家いないし!」
「寂しくないのか」
「…えへへ、あおちゃんがいるもーん!全然よゆー」
(相変わらずめっちゃにやけてる…あ、聞かなきゃ)
「本題入るぞ、昔のこと教えてくれて、俺が小学生後半の記憶が無いことについてだろ?なんでお前が設楽の家族わからないが…」
「じゃあ、最初に質問していい?」
「うん」
「小5の夏家族でどこかに遊びに行った記憶ある?」
「あるぞ、母親と遊園地に行って遊んだ。でも、あんま覚えてないかも…」
「そっか…んじゃ、あおちゃんはその時お姉さんとお父さんがいたの覚えてる?」
「…は?…いや、父親はもう病気で死んでるし、俺に姉なんて…」
「いや、いたんだよこっちきて」
そうすると千陽は部屋の物置から分厚いアルバムを持ってきて、ページを一枚一枚めくり始めた。その時
「…?」
「あった、これがあおちゃん、で右のが僕、僕とあおちゃんの上にいるこの女の子はあおちゃんのお姉さんだよ」
「…誰だよ嘘つくなって!大体俺ら高校で知り合ったのに人間違えだろ!」
「嘘じゃない、嘘じゃないよあおちゃん本当にこれは君のお姉さんだ。青華ちゃんだよ…」
「じゃ、じゃあなんで今いないんだ!家に姉がいた形跡なんてないぞ!」
「おはようあおちゃん、なんだか眠れてなさそうだわ。何かあった?」
「…っ!なんでもないよ…」
「?そう?わかったわ…」
(こんなすぐ勘付かれるとは母とは恐ろしいものだ)
母と朝食をとっていつも通り準備して、時間になるとインターホンが鳴る「はーい」と声をあげてドアを開けばいつも通りの二人がいる。
「はよー」
「おはよう、今日はちょっと眠そうだね?」
(また笑ってる)
相変わらずニコニコと笑っているわけだが、そんなことより俺は甘崎の言っていた過去を知りたい。
「どうしたんだよ青砥、まじ元気ないぞ。いつもないけど」
「一言余分だ…」
「確かに元気なさそうだねえ…」
(いや、元凶お前だろ、いい迷惑だ)
ゆるく話しながら歩いて気づけば学校で、普通に学校生活が始まった、と思ったのも束の間、青春といえばの文化祭が始まろうとしていた。
ー「出し物どうしますか〜」
学級委員が残暑にやられてしなったみんなに質問を投げかける。答えるのは文化祭への企みを持ちつつ、待ち望んでいたクラスのヲタクたちと自分達が主役になれるような気がしてるいわゆる一軍の女子達だ。
「やっぱり、メイド・執事喫茶がいいと思いまーす!」
ー「…もうちょっと真剣に考えろってな、何言ってんだあいつら」
「きっと自分が主役になれる自信があるんだね」
甘崎から少し貼り付け気味の笑顔が溢れた。
「メイド喫茶とかもうちょいマシなのあるだろ、劇とかただのカフェとか」
「それじゃ面白みにかけー」
「何を言っているんだ!!!!」
食い気味で話に入ってきたのは斜め右後ろの席の和希だ。
「メイド喫茶これほどに儲かるもの無いだろ!」
「…お前メイドやんの?」
「んなわけねぇだろうが」
そんなふうに微細な笑いが起きている間に本当にメイド・執事喫茶に決まってしまった。
「は?本当にやんのかメイド喫茶…」
そんなふうにイラついてると妙にがっしりとした白い腕が俺の手首を締め付けた。
「んだよ、甘崎お前メイドやりたいんだな?」
「…って」
「ん?聞こえなかったなにー」
「メイドやって!!執事じゃなくて!メイド!!!」
こいつ踊りすぎて頭おかしくなったんじゃ無いか?思わずデコピンしてやってみたがどうやら狂いは治っていならしい。
「なんで俺がやらなきゃいけねぇんだよ、そもそも女子がやるものだろーが!」
「なーに言ってんの、身長が可愛くて、目もクリクリしててこんな可愛い男の子メイドにしない手はあるの?しかも今の時代はジェンダーレスですよー」
「服装などについては後で決めますよー」
明らかに俺たちの会話を聞いていた学級委員が言った。なんとも恥ずかしいものだ。
ーそんなこんなで出し物準備が始まり学年中がピリピリし出した。口を開けば話し合い、クラスじゅうからそんな声が飛び交う状態だ。こっちまで気が重くなる。
「大丈夫?あおちゃん」
「まぁ、一応管理部だからそこまで苦労はしてねぇけど、聞いてるとこっちまで疲れてくるわ」
「わかる、僕たちなんて接客のマニュアル渡されて叩き込まれてるんだよ?もうやだ!」
「俺もやってるけどな…」
「あ、そうだよね!しかもメイドじゃなくて執事の方!」
結局あの後、流石に執事に変えてもらった俺は甘崎にくどくど文句を言われている。本気でやると思ったのか、バカにも程があるだろ…そんなこんなで学校生活は忙しく進んでいった。
ー「青砥〜!今日俺学校残る日だから先帰ってて〜!」
「はーい」
今日は和希がいない。文化祭の準備でクラスでグループ分けがされ、今日は和希のグループが残る番だった。甘崎と2人きり…2人きり?あいつにこの前のこと聞くチャンス、よし聞こう。
ー「お待たせ」
「あおちゃーん!遅いよお〜」
「そんな待たせたっけ、少しトイレ行ってただけじゃん」
「僕にとっては結構長い時間ですー」
「はいはい、早く帰ろうぜ」
(バス降りてから徒歩だし人も少なくなってきた、今だ)
「な、なぁ甘崎…」
「んー?千陽ってよんでよ」
「あぁ、千陽、この前言ってた昔のことってなんなんだ?今ちょうどいいし教えろよ」
「えーどうしよっかなあ…あ、僕の家おいでよそこで教えてあげる」
「?わかった」
そこから何気ない会話をしつつ千陽の家に向かった。
ー「いらっしゃーい」
「急にあがっていいのか?親とか…」
「うん!大丈夫、基本的に親仕事だからあんま家いないし!」
「寂しくないのか」
「…えへへ、あおちゃんがいるもーん!全然よゆー」
(相変わらずめっちゃにやけてる…あ、聞かなきゃ)
「本題入るぞ、昔のこと教えてくれて、俺が小学生後半の記憶が無いことについてだろ?なんでお前が設楽の家族わからないが…」
「じゃあ、最初に質問していい?」
「うん」
「小5の夏家族でどこかに遊びに行った記憶ある?」
「あるぞ、母親と遊園地に行って遊んだ。でも、あんま覚えてないかも…」
「そっか…んじゃ、あおちゃんはその時お姉さんとお父さんがいたの覚えてる?」
「…は?…いや、父親はもう病気で死んでるし、俺に姉なんて…」
「いや、いたんだよこっちきて」
そうすると千陽は部屋の物置から分厚いアルバムを持ってきて、ページを一枚一枚めくり始めた。その時
「…?」
「あった、これがあおちゃん、で右のが僕、僕とあおちゃんの上にいるこの女の子はあおちゃんのお姉さんだよ」
「…誰だよ嘘つくなって!大体俺ら高校で知り合ったのに人間違えだろ!」
「嘘じゃない、嘘じゃないよあおちゃん本当にこれは君のお姉さんだ。青華ちゃんだよ…」
「じゃ、じゃあなんで今いないんだ!家に姉がいた形跡なんてないぞ!」

