初めての自分の料理を食べてもらうことになるので、ドキドキと心臓が高鳴る。
すると伊織は目を見開いて「上手い」と言ってくれた。
その言葉に驚いた梨々子は慌てて結羅が作ったサバの味噌煮を口に運んだ。板前みたいな一流の味ではないが、食べやすいように丁重に作られている。
味つけもさっぱりしながらも、しっかりと味が付いている。それよりも、食べた瞬間に力が溢れるような感覚がした。
そうしたら伊織の口が開いた。
「……驚いた。この料理には霊力が含まれているな。食べただけで霊力が戻ってくる。いや……それ以上に白虎の強い霊力を感じる」
それもそのはずだ。結羅は料理に自分の霊力を入れ込んでいる。
もともとは茜に霊力を分け与えるために作られたもの。そのため結羅の霊力を通じて、白虎の強い霊力が入っているはずだ。
「当然じゃん。お姉ちゃんの料理は私のために作ったんだから。美味しいに決まっているわよ」
茜は当然だと威張ったように言う。そうしたら伊織は、別の料理に口をつけてくれた。人前では、けして食べないのに。
梨々子もその姿には驚いていた。普段はいくら一緒に食べたいと言ったところで無視されてきた。警戒心が強いため、極度に人と食べるのを嫌がる。
それなのに結羅の食事には参加して、手料理を口に入れたのだ。上手いとまで言わせたことにショックを受ける。
(そんな……伊織お義兄様に限って)
こんな姿は今まで一度も見たことがない。結羅に対して、特別な感情でもあるのか?
考えるほど梨々子の心は動揺して、悔しい感情が支配される。ギュッと箸を握り締めて結羅をキッと睨みつけた。
「こんなの……ちっとも、美味しくないですわ」
すると伊織は目を見開いて「上手い」と言ってくれた。
その言葉に驚いた梨々子は慌てて結羅が作ったサバの味噌煮を口に運んだ。板前みたいな一流の味ではないが、食べやすいように丁重に作られている。
味つけもさっぱりしながらも、しっかりと味が付いている。それよりも、食べた瞬間に力が溢れるような感覚がした。
そうしたら伊織の口が開いた。
「……驚いた。この料理には霊力が含まれているな。食べただけで霊力が戻ってくる。いや……それ以上に白虎の強い霊力を感じる」
それもそのはずだ。結羅は料理に自分の霊力を入れ込んでいる。
もともとは茜に霊力を分け与えるために作られたもの。そのため結羅の霊力を通じて、白虎の強い霊力が入っているはずだ。
「当然じゃん。お姉ちゃんの料理は私のために作ったんだから。美味しいに決まっているわよ」
茜は当然だと威張ったように言う。そうしたら伊織は、別の料理に口をつけてくれた。人前では、けして食べないのに。
梨々子もその姿には驚いていた。普段はいくら一緒に食べたいと言ったところで無視されてきた。警戒心が強いため、極度に人と食べるのを嫌がる。
それなのに結羅の食事には参加して、手料理を口に入れたのだ。上手いとまで言わせたことにショックを受ける。
(そんな……伊織お義兄様に限って)
こんな姿は今まで一度も見たことがない。結羅に対して、特別な感情でもあるのか?
考えるほど梨々子の心は動揺して、悔しい感情が支配される。ギュッと箸を握り締めて結羅をキッと睨みつけた。
「こんなの……ちっとも、美味しくないですわ」

