まさにお嬢様に相応しい華やかな雰囲気がある。
「あら、どなた様かしら?」
「あの……はじめまして。伊織さんの妻になった白石結羅と言います」
「あ~あなたが」
一生懸命自己紹介する結羅と違って、梨々子は冷たい反応が返ってくる。
それどころか、ジロジロと見ると、フフッとバカにしたように鼻で笑う。
「なんだ……大したことないじゃない。伊織お義兄様が結婚したから、どんな女性かと期待していたのに。残念」
結羅はその言葉に啞然とする。自分は美人ではないので、揶揄されるのは慣れてはいるが、初対面で言われるとは。
しか梨々子は気にもせずに勝手に上がろうとする。
「あ、あの……ちょっと」
結羅は慌てて止めようとするが、梨々子は堂々と上がってしまった。
「あら? 私は伊織お義兄様のイトコの龍崎梨々子よ。この家に上がる権利を最初から持っているの。あなたと違ってね」
「ですが……」
そうだとしても、この家の主人である伊織が不在だ。勝手に上がってしまってもいいのだろうか?
オロオロする結羅に梨々子はクスッと笑うと、手に持っていた日傘を差し出した。
「私のお父様は龍崎グループの重役。そして龍崎の血と家柄を持っているわ。お義兄様とも幼い頃から色々と縁が合って、特別な関係。何処から出たから馬の骨のあなたより、私の方がお似合いに決まっているでしょう」
そう言うと、日傘を押しつけてくる。まるで使用人のような扱いだ。しかし、結羅は何かに気づいた。
梨々子の腕に黒色の数珠を付けていた。
彼女はそのまま客間の方に入っていく。何も言えないでいると、それを陰から見ていた茜が腹を立てる。
「あら、どなた様かしら?」
「あの……はじめまして。伊織さんの妻になった白石結羅と言います」
「あ~あなたが」
一生懸命自己紹介する結羅と違って、梨々子は冷たい反応が返ってくる。
それどころか、ジロジロと見ると、フフッとバカにしたように鼻で笑う。
「なんだ……大したことないじゃない。伊織お義兄様が結婚したから、どんな女性かと期待していたのに。残念」
結羅はその言葉に啞然とする。自分は美人ではないので、揶揄されるのは慣れてはいるが、初対面で言われるとは。
しか梨々子は気にもせずに勝手に上がろうとする。
「あ、あの……ちょっと」
結羅は慌てて止めようとするが、梨々子は堂々と上がってしまった。
「あら? 私は伊織お義兄様のイトコの龍崎梨々子よ。この家に上がる権利を最初から持っているの。あなたと違ってね」
「ですが……」
そうだとしても、この家の主人である伊織が不在だ。勝手に上がってしまってもいいのだろうか?
オロオロする結羅に梨々子はクスッと笑うと、手に持っていた日傘を差し出した。
「私のお父様は龍崎グループの重役。そして龍崎の血と家柄を持っているわ。お義兄様とも幼い頃から色々と縁が合って、特別な関係。何処から出たから馬の骨のあなたより、私の方がお似合いに決まっているでしょう」
そう言うと、日傘を押しつけてくる。まるで使用人のような扱いだ。しかし、結羅は何かに気づいた。
梨々子の腕に黒色の数珠を付けていた。
彼女はそのまま客間の方に入っていく。何も言えないでいると、それを陰から見ていた茜が腹を立てる。

