(それが難しいなら……)
結羅は決意したかのように、スカートをギュッと強く握り締める。
その理由は茜を医大に通わせるためだ。
茜は幼い頃に出会った『女医』の影響で医者を目指している。自分だけなら、どうにかなるが医大となるとお金がかかる。私立高校の受験も控えている大事な時期だ。
まだ大学1年生の結羅には経済力がない。かと言って、叔母達にはバイト代まで貰っているので、これ以上は迷惑をかけたくない。
両親に茜を任せるには危険性が高い。母親も父親も個人の仕事が忙しく、ほとんど家には居ない。お金を儲けないと医大に行かせてあげられないと口癖のように言う。
幼い頃から家事や茜の面倒は全て結羅がしてきた。結局は、ほったらかし。
呪詛のせいでもあるが、だからこそ何を考えているのか分からない怖さがある。
それに茜は両親を嫌っている。
「上辺のお世辞ばかりで気持ち悪い。オーラが真っ黒で怖い。お姉ちゃんを意地悪ばかりするから大嫌い」
せめて大学生を卒業して教育免許を取れれば、家から出る口実が出来る。収入が安定する。
茜と2人で住めば、両親とは離れられる。これが今のベストな方法だろう。
しかし、ある事件が結羅と茜の運命を変えることになるとか、この時は考えもつかなかった。
数日後。茜の誕生日。
今日の大学を午前中だけ。早く夕食の食材を買って帰る。そうしたらリビングの方で茜の怒鳴り声が聞こえてきた。
結羅は慌ててリビングの中に入ると、茜は両親と口論をしていた。
「どうしたの? 凄い怒鳴り声が聞こえてきたけど?」
「あ~お姉ちゃん聞いてよ。お父さん達が私に誕生日プレゼントに1万くれたの。好きなものを買えって」
結羅は決意したかのように、スカートをギュッと強く握り締める。
その理由は茜を医大に通わせるためだ。
茜は幼い頃に出会った『女医』の影響で医者を目指している。自分だけなら、どうにかなるが医大となるとお金がかかる。私立高校の受験も控えている大事な時期だ。
まだ大学1年生の結羅には経済力がない。かと言って、叔母達にはバイト代まで貰っているので、これ以上は迷惑をかけたくない。
両親に茜を任せるには危険性が高い。母親も父親も個人の仕事が忙しく、ほとんど家には居ない。お金を儲けないと医大に行かせてあげられないと口癖のように言う。
幼い頃から家事や茜の面倒は全て結羅がしてきた。結局は、ほったらかし。
呪詛のせいでもあるが、だからこそ何を考えているのか分からない怖さがある。
それに茜は両親を嫌っている。
「上辺のお世辞ばかりで気持ち悪い。オーラが真っ黒で怖い。お姉ちゃんを意地悪ばかりするから大嫌い」
せめて大学生を卒業して教育免許を取れれば、家から出る口実が出来る。収入が安定する。
茜と2人で住めば、両親とは離れられる。これが今のベストな方法だろう。
しかし、ある事件が結羅と茜の運命を変えることになるとか、この時は考えもつかなかった。
数日後。茜の誕生日。
今日の大学を午前中だけ。早く夕食の食材を買って帰る。そうしたらリビングの方で茜の怒鳴り声が聞こえてきた。
結羅は慌ててリビングの中に入ると、茜は両親と口論をしていた。
「どうしたの? 凄い怒鳴り声が聞こえてきたけど?」
「あ~お姉ちゃん聞いてよ。お父さん達が私に誕生日プレゼントに1万くれたの。好きなものを買えって」

