「人を根暗とか言う人に、とやかく言われたくないわね。それに、無理やりお金を奪い取っていたじゃない!?」

 茜は、言い返すが、麻美はフフッと笑った。

「だからって何だと言うの? 借りたお金なら後で返すから、それでいいじゃない。岡本さんからには、ちゃんと許可は貰っているし。ねぇ?」
「……あ……うん」

 岡本莉子はカースト上位の麻美達に逆らえず、恐怖で頷くことしか出来ないようだ。
 明らかに脅しているのは見ても分かるほどなのに。

「ほらね? 岡本さんもそう言っているじゃない」
「あんたねぇ……」
「それよりも白石さんは、こんな地味な人だけと関わるのは勿体ないと思うわよ? もっと上の人と仲良くなった方がいいわよ。せっかく可愛いて頭がいいのに。なんなら、私達にグループに入れてあげてもいいけど?」

 グループに勧誘する麻美だったが、茜はその態度にイラッとする。
 それは大きなお世話だ。
 茜は人の感情をオーラで見られる体質なため、こういう人間が大嫌いだった。
 いい顔したところで、心の内は黒い感情で渦巻いている。憎悪まみれで褒められたところで嬉しくもない。
 その点、彩友美は心が綺麗だ。緑色(真面目、癒し)や黄緑色(興味、楽しさ)の他にも白色も混じっている。
 自分の能力を知っても、変わらずに気さくに話しかけてくれる。だからこそ、茜にとって彩友美と一緒に居る方がホッとするのだ。

「悪いけど、私はあんたみたいに陰険で性格の悪い子はお断わりよ。まず自分の性格を直した方がいいんじゃない? 見ていても、みっともないわよ」
「はっ? なんですって!?」