実は茜にスマホの追跡アプリを追跡するように事前に伝えてある。もしものために匠を同行させて待機してもらうように。
連絡が取れなくなった警察を呼んでもらう予定だった。現在の場所を送って、匠に迎えに来てもらえないかと頼む。
美香達が居なくなったのを確認すると、個室から出る。チラッと外に出るドアを覗くと、近くで黒色のスーツ姿の男性が数人待機していた。このまま逃げたら、すぐに捕まるだろう。
『ワシが少しの間、気をひく。非常出口は出てから右手にある』
「分かったわ」
虎太郎は、ドアから出ると、すぐに大きくなって黒色のスーツ姿男性達に飛びかかった。呪詛にかかっているのなら見えるはずだ。
「うわっ!?」
いきなり虎太郎に襲われて黒色のスーツ姿の男性達が慌てだす。その隙を見て、結羅は女子トイレから飛び出して、非常出口の方に向かった。そうしたら他の黒色のスーツ姿の男性達は大慌て追いかけてくる。
気づかれてしまったが、結羅は構わずに走って外に出る。しかし外に居たようで追いかけてくるではないか。何とか茜が匠を連れて迎えに来てもらえるまで逃げ切らないといけない。
だが、女性の足では限界があるようだ。路上裏の行き止まりのところで追い詰められてしまった。
じわりじわりと壁まで追い込まれると、連絡を受けた隼人が結羅の前に現れた。
「随分とやってくれるな? まさか逃げようとするなんて」
「近寄らないで」
結羅はカバンからお札を出して構える。しかし隼人はハハッと笑ってきた。
「はっ? 俺に勝てるとも思っているのか? 俺には黒石神社から頂いた数珠がある。この女を柳木(やぎ)さんのところに連れて行けば……俺は昇格が出来る」
連絡が取れなくなった警察を呼んでもらう予定だった。現在の場所を送って、匠に迎えに来てもらえないかと頼む。
美香達が居なくなったのを確認すると、個室から出る。チラッと外に出るドアを覗くと、近くで黒色のスーツ姿の男性が数人待機していた。このまま逃げたら、すぐに捕まるだろう。
『ワシが少しの間、気をひく。非常出口は出てから右手にある』
「分かったわ」
虎太郎は、ドアから出ると、すぐに大きくなって黒色のスーツ姿男性達に飛びかかった。呪詛にかかっているのなら見えるはずだ。
「うわっ!?」
いきなり虎太郎に襲われて黒色のスーツ姿の男性達が慌てだす。その隙を見て、結羅は女子トイレから飛び出して、非常出口の方に向かった。そうしたら他の黒色のスーツ姿の男性達は大慌て追いかけてくる。
気づかれてしまったが、結羅は構わずに走って外に出る。しかし外に居たようで追いかけてくるではないか。何とか茜が匠を連れて迎えに来てもらえるまで逃げ切らないといけない。
だが、女性の足では限界があるようだ。路上裏の行き止まりのところで追い詰められてしまった。
じわりじわりと壁まで追い込まれると、連絡を受けた隼人が結羅の前に現れた。
「随分とやってくれるな? まさか逃げようとするなんて」
「近寄らないで」
結羅はカバンからお札を出して構える。しかし隼人はハハッと笑ってきた。
「はっ? 俺に勝てるとも思っているのか? 俺には黒石神社から頂いた数珠がある。この女を柳木(やぎ)さんのところに連れて行けば……俺は昇格が出来る」

