彼氏は居ないと言ったはずなのに、どうしてそうなるのだろうか?

「はぁ? ど、どうしてそうなるんだよ!?」
「えっ? 違うの?」
「コイツとはイトコ同士ってだけだ!? 同じ苗字だろ。俺は……そういうつもりはないし、彼女とか居ねぇ」

 2人の関係制に対して聞いてくる美香と違って、樹はしどろもどろになってしまう。
 頬まで赤く染めて、必死に否定する。
 他の子達が「なんだ~」と安心していると、美香は何か思いついたのか手を叩く。

「そうだ、だったら白石君も参加すればいいじゃん」
「はっ?」

 美香は樹も参加しないかと誘ってきた。どうして、そうなるのだろうか?
 樹もさすがに驚いた表情をしていた。

「どうして……俺が!?」
「いいじゃない、白石君は参加すれば。彼女が居ないなら、白石さんと一緒に相手を探せばいいんだし」
「いや……だからって、何で俺が」
「えっ~どうして、そんなに嫌がるの? あ、もしかして他に好きな人が居るとか?」

 そうしたら美香は樹にちょっかいをかけ始めてしまう。

(どうして、そこまで樹を合コンに行かせたがるの?)

 言葉の節々に何か企んでいるような雰囲気だ。しかし樹は耳まで真っ赤に染めて慌てだした。

「そ、そんなわけがないだろ!?」
「もしかして、それって白石さ……」
「あ~もう分かったって。行けばいいんだろう!? 行ってやるから、それ以上何も言うな」

 そうしたら樹は美香の口車にまんまと乗せられて、参加を口に出してしまった。