「……そうね」
しかし結羅の心配は茜の方だった。そうなると妹の方も危険性が高くなるからだ。
何もないといいのだが……。
その頃、茜は学校が終わってから市立図書館に来ていた。
私立中学校から歩いて十五分ぐらいにあるので塾がない時は、ここで勉強することが多い。
個室になっている机で黙々と勉強をしていると、誰かが茜の傍まで来る。チラッと茜が見ると、匠だった。
「あら、よくここだって分かったわね?」
「まったく、迎えに来なければいけないのに勝手に移動するな。探すはめになるだろう。大体、何処に行っても霊力を辿っていけば、すぐに分かる。それに俺の目は遠くまでも見渡せるから無駄だ」
「へぇー便利な力ね。でも邪魔だから先に帰ってもいいわよ。私は1人で帰るから」
そう言いながら、さっさと帰れと手でシッ、シッと追い払おうとする。
そもそも茜は匠と帰る気はなかった。
自分だけではなく、姉まで失礼なことを言う男など好きではなかったからだ。それに、まだ信用すら持てない。
「……そういうわけにはいかない。俺は主から送迎を頼まれている」
「そう。じゃあ、その主に無事に送迎したと言っておけばいいんじゃないの? 話ぐらい合わせておいてあげるわよ」
少しムッとする匠だったが、茜はさらに言い返した。
今朝、喧嘩したばかり。何を考えているのか分からないから逆に怖い。
そうしたら茜の態度にイラッとした匠は強引に近寄り、腕を引っ張る。無理やり連れて行こうとする。
「ちょっと!?」
しかし結羅の心配は茜の方だった。そうなると妹の方も危険性が高くなるからだ。
何もないといいのだが……。
その頃、茜は学校が終わってから市立図書館に来ていた。
私立中学校から歩いて十五分ぐらいにあるので塾がない時は、ここで勉強することが多い。
個室になっている机で黙々と勉強をしていると、誰かが茜の傍まで来る。チラッと茜が見ると、匠だった。
「あら、よくここだって分かったわね?」
「まったく、迎えに来なければいけないのに勝手に移動するな。探すはめになるだろう。大体、何処に行っても霊力を辿っていけば、すぐに分かる。それに俺の目は遠くまでも見渡せるから無駄だ」
「へぇー便利な力ね。でも邪魔だから先に帰ってもいいわよ。私は1人で帰るから」
そう言いながら、さっさと帰れと手でシッ、シッと追い払おうとする。
そもそも茜は匠と帰る気はなかった。
自分だけではなく、姉まで失礼なことを言う男など好きではなかったからだ。それに、まだ信用すら持てない。
「……そういうわけにはいかない。俺は主から送迎を頼まれている」
「そう。じゃあ、その主に無事に送迎したと言っておけばいいんじゃないの? 話ぐらい合わせておいてあげるわよ」
少しムッとする匠だったが、茜はさらに言い返した。
今朝、喧嘩したばかり。何を考えているのか分からないから逆に怖い。
そうしたら茜の態度にイラッとした匠は強引に近寄り、腕を引っ張る。無理やり連れて行こうとする。
「ちょっと!?」

