『佑真（ゆうま）のことが忘れられないの。好き、好き、好き。絶対あなたの愛を取り返してやる』
『佑真の傍に居る女は誰？　佑真は私の彼氏なのに。あの女が邪魔。消してやる』
『何で返事をくれないの？　酷い、私がこんなに佑真のこと愛しているのに。憎い、最低。絶対に後悔させてやる』

　どれも過激な文章ばかりだった、これではストーカーだと言われるのも頷ける。このままでは危ないかもしれない。

「ちなみに元カレさんに未練は？」
「別れた時は……本当に悲しくて、よりを戻したいとは思いました。浮気をされたので。でも、今は未練とかありません。それに新しい恋人が出来たので」

　紗耶香には未練がないと。新しい恋人が居るのなら、やり直したいと考えにくいだろう。見た感じ大人しそうな女性だ。
　それに彼女に、微かに呪詛の気配がした。比較的に弱い霊力だが、異様な不気味さは間違いないだろう。

「あの……つかぬ事をお伺いしますが、最近、変なところに行ったことや、何か変わったことはありませんでしたか？　それか不思議なものを手に入れたとかは？」

　結羅はそう尋ねると、紗耶香は考え込む。そして何かを思い出した。

「そういえば……これを友人から貰ってから、そういう現象が起きるようになったわ」

　カバンから取り出して見せてくれたの黒色の無地に玄武の絵柄の刺繡が入った、お守りだった。そこから呪詛の気配が強くなっている。

「これを何処で手に入れたのですか！？」