「急でびっくりさせて、ごめんね。結婚と言っても期限付きだし。こちらの条件を守ってくれるのならいいかなぁ~と思って」
「いやいや、簡単に考え過ぎでしょ? 契約結婚だよ? お姉ちゃん。それでは、いいように使い回しされているのと同じじゃない」
呆れたようにツッコミを入れてくる茜。言い方が虎太郎に似てきた。
「同じこと……虎太郎にも言われた」
「それはそうでしょ!? 向こうの言い分なんて当てにならないわよ。お姉ちゃんがわざわざ犠牲になる必要なんてないじゃん」
茜は結羅の心配をして怒ってくれていた。期限付きだとしても、結婚する以上は既婚者になる。離婚したとしてもバツイチに。
「でもね……そうすると、あなたが安全になるの。条件には守ってもらえるのと生活の保障もされる。そうなれば、茜も安心して勉強が出来るでしょ?」
「私のためにお姉ちゃんが我慢する必要なんてないよ!? 危険じゃん」
必死に止めようとする茜に結羅は申し訳ないと思ったが、変えるつもりはなかった。
妹の言い分は分かる。自分が反対だったら、間違いなく止めただろう。
しかし今までの両親に対する危険さ。そのうちに茜にも牙を剥いてくるかもしれない。両親ではなくても、他の呪詛がかけられた人の可能性だってある。
そうなる前に守れる手段を確保しておきたい。
「茜……よく聞いて。それは大事なことなの。私は大丈夫。自分の身は自分で守れるわ。でも、あなたは違う。除霊が出来ない以上は誰かに守ってもらう必要があるの。それは、多い方がいい。そのために必要な契約結婚なの」
「……でも」
「期間付きならいい方じゃない? ずっと縛られるわけではないわ。この先の事を考えたら、条件がいい。ほら、結婚とか……私はあまり深くこだわらないし」
結羅自身、結婚とか高望みをする気はなかった。
この先、地味で平凡な自分に、似合う男性が現れる可能性があるのか分からない。
「いやいや、簡単に考え過ぎでしょ? 契約結婚だよ? お姉ちゃん。それでは、いいように使い回しされているのと同じじゃない」
呆れたようにツッコミを入れてくる茜。言い方が虎太郎に似てきた。
「同じこと……虎太郎にも言われた」
「それはそうでしょ!? 向こうの言い分なんて当てにならないわよ。お姉ちゃんがわざわざ犠牲になる必要なんてないじゃん」
茜は結羅の心配をして怒ってくれていた。期限付きだとしても、結婚する以上は既婚者になる。離婚したとしてもバツイチに。
「でもね……そうすると、あなたが安全になるの。条件には守ってもらえるのと生活の保障もされる。そうなれば、茜も安心して勉強が出来るでしょ?」
「私のためにお姉ちゃんが我慢する必要なんてないよ!? 危険じゃん」
必死に止めようとする茜に結羅は申し訳ないと思ったが、変えるつもりはなかった。
妹の言い分は分かる。自分が反対だったら、間違いなく止めただろう。
しかし今までの両親に対する危険さ。そのうちに茜にも牙を剥いてくるかもしれない。両親ではなくても、他の呪詛がかけられた人の可能性だってある。
そうなる前に守れる手段を確保しておきたい。
「茜……よく聞いて。それは大事なことなの。私は大丈夫。自分の身は自分で守れるわ。でも、あなたは違う。除霊が出来ない以上は誰かに守ってもらう必要があるの。それは、多い方がいい。そのために必要な契約結婚なの」
「……でも」
「期間付きならいい方じゃない? ずっと縛られるわけではないわ。この先の事を考えたら、条件がいい。ほら、結婚とか……私はあまり深くこだわらないし」
結羅自身、結婚とか高望みをする気はなかった。
この先、地味で平凡な自分に、似合う男性が現れる可能性があるのか分からない。

