その後、結羅と茜は警察に事情聴取をされることに。
 不審者に襲われたので、詳しく聞きたいと言われたからだ。結羅の怪我は大したことはなかったが、擦り剥いてしまった。警察の人に絆創膏を貰って貼る。
 呪詛にかけられて襲われたからで、顔見知りではない。呪詛と言っても信じてもらえるわけがないので、ただの無差別殺人未遂として扱わるだろう。
 事情聴取が終わると茜も丁度部屋から出てきた。茜を抱き締めていると、連絡をもらった両親が駆け寄ってくる。
 しかし結羅を押し退けて茜だけに声をかけてきた。

「茜ちゃん、大変だったわね。怖い思いをして……可哀想に」
「怪我はないか? 未成年だと言うのに、こんなところに連れて来られるなんて」

 ここでも自分のことは気にもかけてくれなかった。

「ちょっと、お母さん、お父さん。怪我をして大変な思いをしたのは、お姉ちゃんの方だよ!?」

 茜は呆れながら代わりに言ってくれる。両親は振り返ってくれたが、表情は冷たかった。それどころか激怒してくる。

「お前のせいだ。お前が、そんな危ない場所に茜を連れていくから」
「そうよ。何もなかったから良かったけど。茜ちゃんの身に何かあったら、どうする気だったのよ!? 本当にお姉ちゃんのくせに役に立たないわね」

 また、お決まりの結羅の責任にされてしまう。
 両親にとって、結羅が無事とかどうでもいい。可愛い茜の身さえ無事ならそれでいいのだろう。
 あまりにも酷く言うものだから警察の人が間に入って止めてくれた。茜も代わりに怒ってくれる。
 女性の警察官に「大丈夫?」と、気にかけてくれた。