「えっ? 百眼??」
結羅は驚くが、それに慌て出したのは柳木だった。
「な、何をしている!? 早く、自分の姉を殺せ」
だが、意識を取り戻した茜は命令を聞くことはなかった。それどころか、大好きな姉を傷つけられたことに怒りが湧いてくる。ギロッと柳木の方を睨んだ。
「……許さない。私を操って、お姉ちゃんを傷つけるなんて」
金色の目は柳木を捉えると、柳木の身体は金縛りにあったかのように、ピタッと動かなくなる。必死に抵抗しようとするが、硬直したまま下半身は、徐々に透明のクリスタルで覆われて変化していく。
「くっ……やめろ!? これが……びゃく……」
あっという間に柳木の全身はクリスタルで固まってしまい、石化のようになってしまった。直前で鵺は柳木の身体から離れて、逃げようとする。しかし伊織はそれを見逃さなかった。
「匠。やれ!」
ハッと我に返った匠はチッと舌打ちをすると、駆け出した。
匠から青色の強烈な霊力があふれ出してくる。大きな力は渦巻きとなり、身体は龍の姿に変わっていく。
長い胴体は、くねらせたまま鵺に向かって突進していく。そして一飲みする。しかし、それだけでは終わらない。
クリスタルで固まったままの柳木まで吞み込んでしまった。全ての霊力を奪った後、柳木だけ吐き出した。
動くこともままならなくなった柳木は、そのまま地面に倒れ込んだ。虫の息となった彼は、弱々しい手を上に挙げる。目は正気に戻っていた。
「……すまなかった。朱奈(しゅな)」
それだけを言うと目尻に一粒の涙を流し、手は地面にバタッと倒れる。そして眠るように息を引き取ったのだった。
結羅は驚くが、それに慌て出したのは柳木だった。
「な、何をしている!? 早く、自分の姉を殺せ」
だが、意識を取り戻した茜は命令を聞くことはなかった。それどころか、大好きな姉を傷つけられたことに怒りが湧いてくる。ギロッと柳木の方を睨んだ。
「……許さない。私を操って、お姉ちゃんを傷つけるなんて」
金色の目は柳木を捉えると、柳木の身体は金縛りにあったかのように、ピタッと動かなくなる。必死に抵抗しようとするが、硬直したまま下半身は、徐々に透明のクリスタルで覆われて変化していく。
「くっ……やめろ!? これが……びゃく……」
あっという間に柳木の全身はクリスタルで固まってしまい、石化のようになってしまった。直前で鵺は柳木の身体から離れて、逃げようとする。しかし伊織はそれを見逃さなかった。
「匠。やれ!」
ハッと我に返った匠はチッと舌打ちをすると、駆け出した。
匠から青色の強烈な霊力があふれ出してくる。大きな力は渦巻きとなり、身体は龍の姿に変わっていく。
長い胴体は、くねらせたまま鵺に向かって突進していく。そして一飲みする。しかし、それだけでは終わらない。
クリスタルで固まったままの柳木まで吞み込んでしまった。全ての霊力を奪った後、柳木だけ吐き出した。
動くこともままならなくなった柳木は、そのまま地面に倒れ込んだ。虫の息となった彼は、弱々しい手を上に挙げる。目は正気に戻っていた。
「……すまなかった。朱奈(しゅな)」
それだけを言うと目尻に一粒の涙を流し、手は地面にバタッと倒れる。そして眠るように息を引き取ったのだった。

