結衣が目を覚ました頃には伊織の姿はなかった。
それから茜が行方不明になって2週間後。警察が捜索に回ってくれたが、未だに見つからないまま。茜のスマホも連絡がつかない。
夏休みが始まったから学校には影響はないが、大事になってしまった。結羅は不安のまま日々を過ごす。
そんな時に、結羅のスマホに1本の電話が鳴った。慌てて着信を見ると茜からの番号だった。急いで電話に出る。
「もしもし、茜!? 無事なの?」
『……お姉ちゃん』
低い声ではあるが、茜で間違いではなさそうだ。
「今、何処に居るの? 怪我とかしていない?」
『無事よ。それよりも、言った場所に来て。白虎は連れて来てもいいけど、必ず一人で。そうすれば、この子を返してあげる』
「えっ!?」
その言葉に結羅は察する。茜が除霊で操られているってことに。
最悪な状況のようだ。それだけは避けたかったのに。
「ちょっと、待って」
『青龍達に言ったらその時は、この子を殺す。必ず1人で来い。また連絡をする』
そう言うと、一方的に電話を切られてしまった。ツーツーツーと音だけが残る。
結羅の心は動揺する。1人で行かないと、茜の身が危なくなってしまう。
それは罠だ。行けば、きっと自分の命を狙ってくるだろう。しかし、だからと言って、放っておけない。
『どうするんだ? 一人で行くつもりか?』
肩に乗っていた虎太郎が結羅に問う。自分で決断を出さないとならない。
それから茜が行方不明になって2週間後。警察が捜索に回ってくれたが、未だに見つからないまま。茜のスマホも連絡がつかない。
夏休みが始まったから学校には影響はないが、大事になってしまった。結羅は不安のまま日々を過ごす。
そんな時に、結羅のスマホに1本の電話が鳴った。慌てて着信を見ると茜からの番号だった。急いで電話に出る。
「もしもし、茜!? 無事なの?」
『……お姉ちゃん』
低い声ではあるが、茜で間違いではなさそうだ。
「今、何処に居るの? 怪我とかしていない?」
『無事よ。それよりも、言った場所に来て。白虎は連れて来てもいいけど、必ず一人で。そうすれば、この子を返してあげる』
「えっ!?」
その言葉に結羅は察する。茜が除霊で操られているってことに。
最悪な状況のようだ。それだけは避けたかったのに。
「ちょっと、待って」
『青龍達に言ったらその時は、この子を殺す。必ず1人で来い。また連絡をする』
そう言うと、一方的に電話を切られてしまった。ツーツーツーと音だけが残る。
結羅の心は動揺する。1人で行かないと、茜の身が危なくなってしまう。
それは罠だ。行けば、きっと自分の命を狙ってくるだろう。しかし、だからと言って、放っておけない。
『どうするんだ? 一人で行くつもりか?』
肩に乗っていた虎太郎が結羅に問う。自分で決断を出さないとならない。

