その言葉に伊織だけではなく、結羅も絶望的になる。
匠もショックで言葉を失い、その怒りをグッと拳に握り締める。歯を食いしばりながら。
(……あの野郎。許せねぇ)
その頃。離れたところで、気絶した茜をお姫様抱っこしている人物が。
それは玄武の当主。柳木伊吹だった。
彼は茜を抱き締めながらククッと笑い出す。喜びを隠し切れないようだ。
「まあ、とりあえず欲しかった1人は手に入った。これで、やっと白虎の姫巫女の心臓が出に入る。最大の弱点を手に入れた以上は時間の問題だ」
茜を手にするということは、結羅には大きな痛手だった。最愛の妹を人質にされたら、太刀打ちが出来ない。
両親に除霊をかけてみても、反応はイマイチだった。もっと、心が弱ってくれたら、動きやすかったのにと思っていたが。
他の四神が守っている以上は下手なことは出来ない。むやみにやり合ったら返り討ちあるからだ。能力は互角。
しかし1つ方法はある。それは後継者の精神を壊すことだった。
外から攻撃が出来ないのなら、内側から壊せばいい。精神的に追い詰めて、少しずつ蝕んでいけばいい。
そうすることで後継者は弱くなっていく。
他の四神の後継者達にも同じことをやってきたが、どうやら正解だったようだ。
(やはり白虎の姫巫女は、妹の方が反応はいいな。まぁ、ずっと守ってきた存在だから当然か。せっかくなら青龍の後継者もどうにかしたいものだが)
チラッと茜の顔を見る。
「……さて、どう料理をしてやろうか?」
そう言った柳木の肩には鵺の姿が。『ヒョーヒョー』と不気味に鳴き続けるのだった。
匠もショックで言葉を失い、その怒りをグッと拳に握り締める。歯を食いしばりながら。
(……あの野郎。許せねぇ)
その頃。離れたところで、気絶した茜をお姫様抱っこしている人物が。
それは玄武の当主。柳木伊吹だった。
彼は茜を抱き締めながらククッと笑い出す。喜びを隠し切れないようだ。
「まあ、とりあえず欲しかった1人は手に入った。これで、やっと白虎の姫巫女の心臓が出に入る。最大の弱点を手に入れた以上は時間の問題だ」
茜を手にするということは、結羅には大きな痛手だった。最愛の妹を人質にされたら、太刀打ちが出来ない。
両親に除霊をかけてみても、反応はイマイチだった。もっと、心が弱ってくれたら、動きやすかったのにと思っていたが。
他の四神が守っている以上は下手なことは出来ない。むやみにやり合ったら返り討ちあるからだ。能力は互角。
しかし1つ方法はある。それは後継者の精神を壊すことだった。
外から攻撃が出来ないのなら、内側から壊せばいい。精神的に追い詰めて、少しずつ蝕んでいけばいい。
そうすることで後継者は弱くなっていく。
他の四神の後継者達にも同じことをやってきたが、どうやら正解だったようだ。
(やはり白虎の姫巫女は、妹の方が反応はいいな。まぁ、ずっと守ってきた存在だから当然か。せっかくなら青龍の後継者もどうにかしたいものだが)
チラッと茜の顔を見る。
「……さて、どう料理をしてやろうか?」
そう言った柳木の肩には鵺の姿が。『ヒョーヒョー』と不気味に鳴き続けるのだった。

