どうなるかと思ったが、本人は満足したみたいだから良かった。今は鼻歌を歌いながらお風呂に入っている。
 虎太郎はため息を吐きながら、傍で浮いていた。

「しかし最近は呪詛がかけられた不審者がウロウロしている。事件にもなっているから気をつけろ。親も含めてな。あ奴らの目的は、恐らく四神の後継者か、お前だ!」

「……そうね」

 最近、不審者が多発している。急に暴れる。おかしな行動をしていると、ニュースでも流れていた。
 問題なのは本人が何も覚えておらず。知らずと呪詛にかけられていることだ。
 警察も困惑しているとか。無理もない、誰も呪詛だと思わないだろう。結羅も何度か命を狙われたことがあった。目的は分からない。
 ただ目的のためなら手段を選ばない様子。そのため警戒をするしかなかった。

 そして日曜日。
 結羅は茜と一緒にショッピングに出かける。一緒に服を選び購入。他にも気になるお店に入る。
 その後は、お腹が空いたので近くのカフェでランチ。
 食後のデザートには結羅は苺のミルフィーユ。茜は苺のパフェを注文する。

「今日はありがとう。お陰で欲しいワンピースが買えたわ」
「嬉しいことは半分こした方が楽しいからね。いいのがあって良かったね」
「えぇ。ここのは、私が多めに払うわね」
「そんなのいいのに。全部使えばいいのよ。足りなかったら、私が後で請求するし。親に」
「フフッ……もう、茜ったら」

 要領のいい茜に、結羅はフフッと笑う。今日はとても楽しかった。
 妹のお陰で、欲しいものが買えた。いつもならバイト代で購入。祖母の神社でバイトし始めてから、貰えなくなった。スマホ代と大学の授業料まで。