言葉を失う伊織。目を大きく見開いて驚いていた。
その時だった。先に入って来たのは新郎であり、黒石神社の当主・柳木伊吹。
50歳だと言っていたが、年相応には見えない。落ち着いた大人の男性。白いタキシードがよく似合っている。
ダークブラウンの髪に甘く優しそうな一重の目。鼻筋も高くて端正な顔立ち。今でいう『イケオジ』と名が相応しい感じだ。
玄武の当主なので強い茶色の霊力が彼からあふれ出しているのだが、黒色の霊力がその力を奪うようにまとわりついていた。彼の肩には鵺が。
やはり当主を操っていたのは鵺だったようだ。
新郎が祭壇まで来ると扉が開き、花嫁の野々華が父親と一緒にバージンロードをゆっくりと歩いてくる。大きな拍手が。
純白のウエディングドレスを着た野々華は本当に綺麗だった。罠ではなかったら、心から祝福が出来たのに、と結羅の胸は傷んだ。
式は通常通りに無事に行われた。
人口に造られて庭では野々華がブーケを結羅に差し出してきた。
「はい、結羅。これ、受け取って」
「えっ? でも……私」
「私は親友のあなたに受け取ってほしいの。披露宴も楽しみにしていてね。柳木様から、サプライズでありがたい言葉が頂けるから」
野々華はフフッと笑うと、結羅にブーケを強引に押し付ける。笑顔で言うが、目は笑っていない。
伊織はジッと柳木の方を睨みつける。だが、八木はニコッと微笑むだけで余裕の表情だった。何を考えているのか分からない。
そのまま披露宴が始まってしまった。結羅と伊織は隣同士。
周りを警戒しながら司会の侵攻で進めていくと、どこからともなく黒色の霧が下の方から流れてくる。
その時だった。先に入って来たのは新郎であり、黒石神社の当主・柳木伊吹。
50歳だと言っていたが、年相応には見えない。落ち着いた大人の男性。白いタキシードがよく似合っている。
ダークブラウンの髪に甘く優しそうな一重の目。鼻筋も高くて端正な顔立ち。今でいう『イケオジ』と名が相応しい感じだ。
玄武の当主なので強い茶色の霊力が彼からあふれ出しているのだが、黒色の霊力がその力を奪うようにまとわりついていた。彼の肩には鵺が。
やはり当主を操っていたのは鵺だったようだ。
新郎が祭壇まで来ると扉が開き、花嫁の野々華が父親と一緒にバージンロードをゆっくりと歩いてくる。大きな拍手が。
純白のウエディングドレスを着た野々華は本当に綺麗だった。罠ではなかったら、心から祝福が出来たのに、と結羅の胸は傷んだ。
式は通常通りに無事に行われた。
人口に造られて庭では野々華がブーケを結羅に差し出してきた。
「はい、結羅。これ、受け取って」
「えっ? でも……私」
「私は親友のあなたに受け取ってほしいの。披露宴も楽しみにしていてね。柳木様から、サプライズでありがたい言葉が頂けるから」
野々華はフフッと笑うと、結羅にブーケを強引に押し付ける。笑顔で言うが、目は笑っていない。
伊織はジッと柳木の方を睨みつける。だが、八木はニコッと微笑むだけで余裕の表情だった。何を考えているのか分からない。
そのまま披露宴が始まってしまった。結羅と伊織は隣同士。
周りを警戒しながら司会の侵攻で進めていくと、どこからともなく黒色の霧が下の方から流れてくる。

