その後。梨々子は、そのまま龍崎家に残ったまま夜になってしまった。
結局、伊織は一度も外には出て来なかった。会社も休んだらしい。
話し合いも出来ないままなので結羅もどうしたらいいか悩んでいた。彼がやっていないのなら、そのまま突き通すのも手だが、あの親子は黙ってはいないだろう。
変な噂でも流されたら伊織の評判にも関わる。会社も梨々子の父親が重役なら、何かしら重圧をかけてくる可能性もある。
はぁ~とため息を吐きながら布団から出る。考え過ぎて眠れない。
少し外の空気でも吸おうと、外に出ることに。そうしたら庭に居る伊織を見つける。
月と電灯の光りで、青が混ざり合った黒髪はキラキラとしていた。着崩れた寝巻きに透き通るような白い肌。何より、それさえも神秘的な美しさと色気があった。
思わず見惚れてしまう結羅。すると、伊織は結羅に気づいた。
背中を向けられるとズキッと胸が傷んだ。
「……あの」
「……梨々子は、明日にでも必ず追い出す」
「えっ?」
伊織の突然の言葉に結羅は思わず聞き返した。そうしたらチラッと結羅の方に目線を向けてきた。
「あの女は龍崎家の当主の妻の座だけが欲しいだけだ。俺が……義兄からその座を奪ったから」
「それは……」
「せっかくだから教えておいてやる。当主として選ばれたとき。俺が真っ先にしたことは義母と義兄を追い出したことだ。それに激怒した父親は俺を攻撃してこようとした。殺せば……当主の座は白紙になるからな」
「……そんな!?」
結局、伊織は一度も外には出て来なかった。会社も休んだらしい。
話し合いも出来ないままなので結羅もどうしたらいいか悩んでいた。彼がやっていないのなら、そのまま突き通すのも手だが、あの親子は黙ってはいないだろう。
変な噂でも流されたら伊織の評判にも関わる。会社も梨々子の父親が重役なら、何かしら重圧をかけてくる可能性もある。
はぁ~とため息を吐きながら布団から出る。考え過ぎて眠れない。
少し外の空気でも吸おうと、外に出ることに。そうしたら庭に居る伊織を見つける。
月と電灯の光りで、青が混ざり合った黒髪はキラキラとしていた。着崩れた寝巻きに透き通るような白い肌。何より、それさえも神秘的な美しさと色気があった。
思わず見惚れてしまう結羅。すると、伊織は結羅に気づいた。
背中を向けられるとズキッと胸が傷んだ。
「……あの」
「……梨々子は、明日にでも必ず追い出す」
「えっ?」
伊織の突然の言葉に結羅は思わず聞き返した。そうしたらチラッと結羅の方に目線を向けてきた。
「あの女は龍崎家の当主の妻の座だけが欲しいだけだ。俺が……義兄からその座を奪ったから」
「それは……」
「せっかくだから教えておいてやる。当主として選ばれたとき。俺が真っ先にしたことは義母と義兄を追い出したことだ。それに激怒した父親は俺を攻撃してこようとした。殺せば……当主の座は白紙になるからな」
「……そんな!?」

