「待って下さい。そんな勝手なことはさせられません」
「何だと!?」
「私と伊織さんは確かに契約結婚ですが、話し合って決めたことです。ですが、それでも現在の妻は私です。主人の許可を頂いていない以上は、そんな勝手なことを決められても、許可するわけにはいきません」
「認められないも何も、こうやって娘が酷い目にあっているんだ」
「だったとしても、同じです。今回の件は私達夫婦の話し合いで決めます。なのでお引き取りをお願いします」
「はっ? 貴様……庶民の分際で」
はっきりと言い返す結羅に対して、梨々子の父親は掴みかかろうとしてくる。
その時だった。突風が吹いたと思ったら、玄関の外まで吹き飛ばされる梨々子の父親。
あっという間にゴロゴロと転がるように追い出されてしまう。
驚きながら振り返ると、どうやら虎太郎がやったようだ。いつの間にか大きくなっており、金色の目が光っていた。
それには梨々子もびっくりして真っ青な表情で尻餅をついてしまっていた。
「……虎太郎」
『ワシの主に危害を加えるのなら、容赦はしない』
虎太郎は主である結羅を攻撃しようとしたことに怒ったようだ。梨々子は呪詛のせいで見えるが、父親はまったく見えないので啞然としていた。
「ど、どうなっているんだ??」
『用は済んだら、立ち去れ』
虎太郎はそう言うと、風の能力を使って、玄関の引き戸をバンッと大きな音を立てて閉めてしまう。慌てて梨々子の父親は開けようとしたが開かない。
ドンドンと引き戸を叩いて「開けろ」と、騒いでいる。
「何だと!?」
「私と伊織さんは確かに契約結婚ですが、話し合って決めたことです。ですが、それでも現在の妻は私です。主人の許可を頂いていない以上は、そんな勝手なことを決められても、許可するわけにはいきません」
「認められないも何も、こうやって娘が酷い目にあっているんだ」
「だったとしても、同じです。今回の件は私達夫婦の話し合いで決めます。なのでお引き取りをお願いします」
「はっ? 貴様……庶民の分際で」
はっきりと言い返す結羅に対して、梨々子の父親は掴みかかろうとしてくる。
その時だった。突風が吹いたと思ったら、玄関の外まで吹き飛ばされる梨々子の父親。
あっという間にゴロゴロと転がるように追い出されてしまう。
驚きながら振り返ると、どうやら虎太郎がやったようだ。いつの間にか大きくなっており、金色の目が光っていた。
それには梨々子もびっくりして真っ青な表情で尻餅をついてしまっていた。
「……虎太郎」
『ワシの主に危害を加えるのなら、容赦はしない』
虎太郎は主である結羅を攻撃しようとしたことに怒ったようだ。梨々子は呪詛のせいで見えるが、父親はまったく見えないので啞然としていた。
「ど、どうなっているんだ??」
『用は済んだら、立ち去れ』
虎太郎はそう言うと、風の能力を使って、玄関の引き戸をバンッと大きな音を立てて閉めてしまう。慌てて梨々子の父親は開けようとしたが開かない。
ドンドンと引き戸を叩いて「開けろ」と、騒いでいる。

