離れは十分な広さはある。2部屋の奥が伊織の寝室なのだが、そこに伊織と梨々子が居た。
伊織は寝巻姿。梨々子は白いネグリジェだったのだが破れており、胸が見えそうになっていた。しかも目尻に涙を溜めながら震えていた。
「これは……どういうこと!?」
結羅が真っ青になりながら聞くと、梨々子は泣き出した。
「伊織お義兄様ったら、酷いのです。話があるからと言われたので訪れたら、無理やり布団の上に押し倒してきて、私を抱こうとしてきたのです」
「……えっ?」
梨々子の発言に言葉を失う。まさかの出来事に動揺して、ズキッと胸が痛む。
しかし、伊織は怒鳴ってきた。
「梨々子、噓を言うな!? お前が大事な話があると、勝手に部屋に入ってきたのだーが。それなのに俺に迫ってきて」
「ひ、酷い……お義兄様ったら。私が嫌だと言ったのに『妻とは政略結婚だから、何の問題ない』とおっしゃったではありませんか!? キスマークだって、付けられたのに」
伊織は反論するが、梨々子は泣きながら胸元についたキスマークを見せてくる。
確かに彼女の言う通り、キスマークが胸元にいくつか付いていた。
周りの使用人達は動揺してコソコソと話し声が聞こえてきた。
「あのキスマークは本物!?」
「だとしたら、梨々子お嬢様が言っていたことは本当ってこと?」
これでは伊織が噓を言ったことになってしまう。結羅はどちらを信じたらいいのか一瞬悩んだが、冷静に考え直しても、それはありえないと思った。
彼は人にいい感情を持ってはいない。それ以上に好意を持っているのなら別だが。
梨々子に対して好意を持っているようには見えなかった。彼の性格上、そんな状況で彼女を無理やり抱こうとは思わないはずだ。
伊織は寝巻姿。梨々子は白いネグリジェだったのだが破れており、胸が見えそうになっていた。しかも目尻に涙を溜めながら震えていた。
「これは……どういうこと!?」
結羅が真っ青になりながら聞くと、梨々子は泣き出した。
「伊織お義兄様ったら、酷いのです。話があるからと言われたので訪れたら、無理やり布団の上に押し倒してきて、私を抱こうとしてきたのです」
「……えっ?」
梨々子の発言に言葉を失う。まさかの出来事に動揺して、ズキッと胸が痛む。
しかし、伊織は怒鳴ってきた。
「梨々子、噓を言うな!? お前が大事な話があると、勝手に部屋に入ってきたのだーが。それなのに俺に迫ってきて」
「ひ、酷い……お義兄様ったら。私が嫌だと言ったのに『妻とは政略結婚だから、何の問題ない』とおっしゃったではありませんか!? キスマークだって、付けられたのに」
伊織は反論するが、梨々子は泣きながら胸元についたキスマークを見せてくる。
確かに彼女の言う通り、キスマークが胸元にいくつか付いていた。
周りの使用人達は動揺してコソコソと話し声が聞こえてきた。
「あのキスマークは本物!?」
「だとしたら、梨々子お嬢様が言っていたことは本当ってこと?」
これでは伊織が噓を言ったことになってしまう。結羅はどちらを信じたらいいのか一瞬悩んだが、冷静に考え直しても、それはありえないと思った。
彼は人にいい感情を持ってはいない。それ以上に好意を持っているのなら別だが。
梨々子に対して好意を持っているようには見えなかった。彼の性格上、そんな状況で彼女を無理やり抱こうとは思わないはずだ。

