冷たくなった二人の元に、飛鳥は立っていた。すでに多くのパトカーが止まっており、朱鷺羽も現場に来ていた。
「見ろよ。こいつら、笑ってやがる」
「えぇ、そうね……」
涙をこぼしながら、苦笑いを浮かべる飛鳥の横で、朱鷺羽は二人に手を合わせた。
「白瀬飛鳥、旧天宮ホテルに対する威力業務妨害及び天宮美琴さんひき逃げの件で、君に逮捕状が出ているわ」
朱鷺羽は目を開けて立ち上がり、飛鳥に言った。
「自首をするところだったんだが、先に突き止められてしまったか」
「罪を認めるのね」
「えぇ、これが、醜い嫉妬をした哀れな男の末路ですよ」
「十九時三十二分、白瀬飛鳥、逮捕」
手錠をかけられた飛鳥は、天を見上げた。
「星が綺麗だなぁ、わし座のアルタイルと、こと座のベガ。橋渡し役のデネブにベガが微笑むことはなかったか」
「それは私も同じよ、アルタイルに振り向いてもらえなかったわ」
飛鳥は思わず、驚いた顔で朱鷺羽を見つめたが、すぐにフッと笑みを浮かべた。
「アンタの取り調べなら喜んで受けるよ」
飛鳥を乗せたパトカーは、警察署へと向かった。七夕の夜空には、夏の大三角が悲しげな色で輝いていた。
「見ろよ。こいつら、笑ってやがる」
「えぇ、そうね……」
涙をこぼしながら、苦笑いを浮かべる飛鳥の横で、朱鷺羽は二人に手を合わせた。
「白瀬飛鳥、旧天宮ホテルに対する威力業務妨害及び天宮美琴さんひき逃げの件で、君に逮捕状が出ているわ」
朱鷺羽は目を開けて立ち上がり、飛鳥に言った。
「自首をするところだったんだが、先に突き止められてしまったか」
「罪を認めるのね」
「えぇ、これが、醜い嫉妬をした哀れな男の末路ですよ」
「十九時三十二分、白瀬飛鳥、逮捕」
手錠をかけられた飛鳥は、天を見上げた。
「星が綺麗だなぁ、わし座のアルタイルと、こと座のベガ。橋渡し役のデネブにベガが微笑むことはなかったか」
「それは私も同じよ、アルタイルに振り向いてもらえなかったわ」
飛鳥は思わず、驚いた顔で朱鷺羽を見つめたが、すぐにフッと笑みを浮かべた。
「アンタの取り調べなら喜んで受けるよ」
飛鳥を乗せたパトカーは、警察署へと向かった。七夕の夜空には、夏の大三角が悲しげな色で輝いていた。
