ピンポーン。
部屋のインターホンが鳴る。
「はい」
眠たい目を擦りながらベッドから起き上がり、モニター越しに返事をする。
七月七日、土曜日。時刻は朝の十時を回っていたが、僕はまだベッドの上で寝ていたところだった。
「夜野くん、聖川署の霜山よ」
珍しい客人だった。この人とは何度も会ったことがあるが、僕の部屋を訪れるのは、おそらく初めてのはずだ。
休日だというのに、一体どうしたのだろう。不思議に思いながら、玄関のドアを開けた。
「久しぶりね」
「どうも。何かあったんですか?」
「今朝、天宮美琴さんが行方不明になったのよ」
え? まさか、そんな……。一瞬にして、眠気が吹き飛んでいった。
確か今日、彼女は結婚するはずだったのに。
「その動揺した顔、あのときと全く同じね。本当に何も知らなかったの?」
「え、えぇ……。彼女と最後に会ったのは、去年のクリスマスイブの日で、それ以降は何のやり取りもしていなかったので」
僕と美琴は、もう会わないと決めた関係であり、今はお互いの連絡先も持っていない。そのことは、この刑事さんもとっくに気づいているはずだ。
「まさか彼女が、この晴れ舞台の日に行方をくらませるなんてね。それに、またあなたが最有力の容疑者候補に挙がっているのよ。とにかく署まで来てもらえる?」
はぁ、またあのときと同じような取り調べを受けることになるのか……。憂鬱な気持ちで僕は警察署に向かった。
部屋のインターホンが鳴る。
「はい」
眠たい目を擦りながらベッドから起き上がり、モニター越しに返事をする。
七月七日、土曜日。時刻は朝の十時を回っていたが、僕はまだベッドの上で寝ていたところだった。
「夜野くん、聖川署の霜山よ」
珍しい客人だった。この人とは何度も会ったことがあるが、僕の部屋を訪れるのは、おそらく初めてのはずだ。
休日だというのに、一体どうしたのだろう。不思議に思いながら、玄関のドアを開けた。
「久しぶりね」
「どうも。何かあったんですか?」
「今朝、天宮美琴さんが行方不明になったのよ」
え? まさか、そんな……。一瞬にして、眠気が吹き飛んでいった。
確か今日、彼女は結婚するはずだったのに。
「その動揺した顔、あのときと全く同じね。本当に何も知らなかったの?」
「え、えぇ……。彼女と最後に会ったのは、去年のクリスマスイブの日で、それ以降は何のやり取りもしていなかったので」
僕と美琴は、もう会わないと決めた関係であり、今はお互いの連絡先も持っていない。そのことは、この刑事さんもとっくに気づいているはずだ。
「まさか彼女が、この晴れ舞台の日に行方をくらませるなんてね。それに、またあなたが最有力の容疑者候補に挙がっているのよ。とにかく署まで来てもらえる?」
はぁ、またあのときと同じような取り調べを受けることになるのか……。憂鬱な気持ちで僕は警察署に向かった。
