「うんうん……実に良い名だ。賢さと志、そして高みへの願いがこもっている。」

景文は誇らしげに微笑み、王景殿も目を細める。

「これから、文翔殿下とお呼びする日が来るのだな。」

そう言って、王景殿は赤子の額をそっと撫でた。

「……どうか、幸せな人生を。」

私たちの新たな家族が、こうして始まった。

産後の落ち着きを見せたある日の午後、私たちは王景殿を奥の客間に迎えた。

景文は、赤子――文翔の揺り籠をそっと覗き込んだあと、真剣な面持ちで王景殿の前に座った。

「ところで、王景殿にお越しいただいたのには、理由がございます。」

その口調に、場の空気が引き締まる。

王景殿もすぐに気づいたのだろう。微笑を引っ込めて、姿勢を正す。

「はい。何でございましょうか。」

景文は一呼吸置いた後、まっすぐに王景殿を見つめた。

「文翔は、一応、第四皇子である私の子であり、皇帝の血を引く者として、皇子の身分を与えられます。」