そう言って笑うと、王景殿も口元を緩めた。

「その様子なら、心配はなさそうだな。……景文の顔を見ても、ようやく安心できた。」

私の隣に立つ景文が、「まったく」と肩をすくめる。

「突然、俺に向かって“何かあったのか”と詰め寄って来たんだ。――まぁ、ありがたいことだけどな。」

王景殿はふっと息をついた。

「沈妃が倒れたと聞いて、いてもたってもいられなかったのだ。」

その真っ直ぐな瞳に、私は思わず微笑んだ。

「……すみません、ご心配をおかけして。」

「うむ。しかし、どうも気になるな。咳や熱は?」

「いえ、ただ……朝になると、どうしても気分が悪くて……」

すると、王景殿の瞳が一瞬鋭くなった。

「沈妃、それは……ひょっとして、身に宿されたのでは?」

「えっ……?」

目を瞬かせた私の横で、景文の表情も固まった。

「……子だ。」

王景殿はゆっくりと頷いた。