「景文……」

「明日、そなたを俺の妃として迎える。その前に、伝えておきたいんだ。」

彼は真っ直ぐな目で、私を見つめた。

「沈翠蘭、俺と結婚してください。」

私は思わず微笑んでしまった。

「はい。お引き受けします。」

「ありがとう。どうしても“今夜”聞きたかった。」

真剣に言う姿に、愛しさが込み上げた。

景文の顔がほころぶ。皇子の正装のまま、彼は私の手を取った。

「これで、正式にお妃だな。」

景文は私の手を取り、優しく唇を重ねてきた。

「ふぁ……」

かすかな吐息がもれた。

「止まりそうにない。」

囁くような声とともに、私たちはそのまま寝台に身を沈める。

婚礼は明日――けれど、彼の中で私はもう誰にも奪わせない、たった一人の妻だった。

「婚礼前の花嫁に手を出すの?」と問いかけると、「問題ない。もう妃だろ。」と、いたずらっぽく笑いながら、景文は一枚ずつ、自らの衣を解いていった。