そして正式に、皇帝陛下よりお言葉が下された。

「沈翠蘭。第四皇子、李景文の妃になることを、朕は許す。」

その声に、私は胸の奥が熱くなった。

「はい……ありがとうございます。」

深々と頭を下げると、皇帝陛下から調度品や衣装、金子までもが贈られた。

「こんなに……⁉」

きらびやかな婚礼の衣、金糸で縫われた掛け布、象牙の櫛に玉の髪飾り。煌びやかな贈り物が並べられていく。

「ははは、一応“下賜”っていう名目だからな。」

景文が肩をすくめて笑う。けれど、その目にはしっかりと安堵の光が浮かんでいた。

「いやあ……本当に、あのとき下賜を断られた時は焦ったぞ。」

「でも……」

私は、そっと彼の手を握る。

「こうして許してもらえた。陛下も、本当はあなたを――息子として認めてくれていたのね。」

「ああ。時間はかかったけれど……今、やっと、すべての場所に戻れた気がする。」

景文は私の手を強く握り返した。