「本当は……三年寵愛を受けなくても、実家に戻されることはない。だが、後宮に居続けたとしても、酷い時には冷宮行きだ。」

ぞっとした。背筋が冷えたような感覚が走る。

「そんな……」

そう囁いた私の手を、景文はそっと取った。

「最初はな、一度も手を付けられていない妃がいると報告を受けたときだった。」

「うっ……」

私は息を呑んだ。

それって、まさに……私のことじゃないの。

「周囲は冷ややかだった。皇帝に望まれない女など、後宮に不要だと。誰もがそう言った。……でも俺には、どうしても気になって仕方なかった。」

景文は真剣な目で私を見つめた。

「一度、君の姿を見に行った。とても美しいと思った。」

その言葉に、私は息を呑む。

「なぜこんなに美しい人を、陛下は放っておくのかと……腹が立ったぐらいだ。」

驚いた。そんなふうに見られていたなんて、思ってもいなかった。私は何者でもなく、ただ静かに生きてきた女なのに。