「はぁ……」

体がぴくんと反応して、浅い息が漏れる。

「んん……」

「翠蘭……」

景文の吐息が重なる。

ふたりの息が、静かな寝所の中で絡まり、やがてひとつになる音だけが響いていく――

「ああ……景文……」

思わず漏れた声が、夜の静けさに溶けていく。

私、今――女として、この人に求められている。

「翠蘭……もう、我慢できない。」

その言葉と同時に、景文の動きが一層強く、激しくなる。

初めてなのに、容赦なく打ちつけてくる熱。

「……あっ、あっ!」

けれど、不思議と恐くはなかった。

景文の腕の中にいるという、その安心感が全てを受け止めてくれる。

「翠蘭……君を、ずっと欲しかった……」

次の瞬間、彼の熱が深く、私の中に注がれる。

「――ああんっ!」

体がビクビクと震える。

こんなにも深く満たされて、溶けてしまいそう――

これが、愛情というものなの?